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稲見萌寧のコーチ、奥嶋誠昭氏がキャディを務めることも!【東京五輪フォトギャラリー】
プロとプロキャディがどのようにしてタッグを組むことになるのか。劇的な出会いを経て、お互いの想いを確認し合い…なんてことは一切なく、もっと簡単な口約束のようなものから始まるのがほとんどです。なんといっても、お互いそれがお仕事ですから。
では、そんな口約束がされるまでの経緯は? 実は、毎週のように各地で開催されるゴルフトーナメントですが、その中身は非常に狭い世界。
プロやキャディはもちろん、協会の方やプレス関係者の方々というのも地域によって少しの差はあれど、大きく変わることはありません。大会運営に関わる会社も数えられるほどしかなく、アルバイトで来る学生さんも、ボランティアさんも、ある程度の入れ代わりはあるとはいえ、それほど大きく変わるものではありません。
そんな中、プロとプロキャディは何らかの形で関わることが特に多いものです。一緒の組でラウンドしたプロのキャディをしていたとか、食事先が一緒になったとか、様々な形で話すきっかけは存在します。そうした際に、「今度、キャディやってよ」、「今度、機会があればキャディをやらせてください」といった挨拶が選手とキャディの間にはあって、それが社交辞令のようになっていたりします。
さてそれが社交辞令なのか、本音なのか、確認できるのは具体的な話になるかどうかによって。「○○(大会名)の週、空いていますか?」といった形で具体的な話になれば、ではそこで初タッグを組みましょう!となるわけです。
ひとりのプロにずっとついているキャディは、プロが怪我などで休めば仕事が無くなってしまうもの。ぽっかりと予定が空いてしまった週に、他のプロのバッグを担ぐというのはよくあることです。予定が空けば収入も無くなるので、他のプロを探すことは珍しいことではありません。
ちなみに、私が宮里藍プロのキャディバックを担がせていただいたきっかけは、藍プロのお兄ちゃんである聖志プロのキャディをしていたからでしたが、その聖志プロとタッグを組むことになった理由が、まさにそれ。そのとき、私がタッグを組んでいたのは菊池純プロ。しかし、日本オープンへの出場権がなく、雇ってくれる選手を探していました。逆に、出場権を得てキャディを探していた聖志プロ。練習場で話すタイミングがあり、菊池プロの「俺、出られないから雇ってやって」という口添えもあり、キャディをさせてもらえることになりました。
キャディ同士で情報を交換し合って、この週は○○プロが空いているという情報をやり取りしたり、プロに紹介し合ったりもしています。最近では、複数名のプロゴルファーを抱えているようなマネジメントの会社のマネージャーに相談するという方法もありますし、プロキャディが運営するプロとプロキャディのマッチングサイトのようなものもあるそうです。
そうしてタッグを組んだことがキッカケで専属キャディに決まることもあり、伝説のタッグも実はこうして生まれたのかもしれません。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。