コース管理担当者の高齢化に伴う人材難が深刻化しているゴルフ場にとって、若い人材の採用が急務。そんな状況下、芝生管理のスペシャリストを養成している神奈川県立横須賀工業高校グリーンボランティア(GV)部の生徒たちが、ゴルフ場で校外学習に参加した。
GV部の生徒たちは、ゴルフ場業界から見ればまさに『金の卵』。久里浜GCの跡地にある横浜F・マリノスの練習場から出たコア(更新作業で出る芝の抜きカス)を再利用し、芝生化の工期を大幅に短縮する「新神奈川方式」などの先進的な活動にチャレンジ。昨年6月には「日本芝生文化大賞」を受賞した。
アコーディア・ゴルフがニュー南総ゴルフ倶楽部(千葉県市原市)で主催した校外学習では、同社の習志野カントリークラブで米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」が行われた際、メンテナンスの責任者として先頭に立った瀧口悟エリアコースマネジャーがコース管理の基本と最新技術を説明した。その受講態度には、プロも驚きを隠せなかった。
「自ら希望して入部されたこともあり芝に対する意識が大変高く、生徒皆さんのプレゼンは非常にレベルの高い内容。また、『芝刈り機のリール式とロータリー式はどう使い分けるか?』などさまざまな質問があり、コース管理の仕事に高い関心を持っていただけた様子でした」とアコーディア・ゴルフの人事担当者は振り返る。
となれば、同社を就職先に選んでほしいというのは当然の望み。
「校外学習が直接採用につながるわけではありませんが、このような取り組みを地道に行うことでゴルフ場が就職の選択肢になればうれしい」と本音を明かした。
GV部の部員も日頃から芝に親しんでいるだけに、ゴルフ場が魅力的な職場に映っているのは確か。
「去年も一人、ゴルフ場への就職を考えていた生徒がいましたが、(家からゴルフ場が)遠いのと(出社時間が)早いせいで断念。その子は電気科だったので、電気化学系の会社に就職しました」(同校の石井力顧問)。
横須賀の高校生にとって、悩みの種は家から通えるゴルフ場が市内にないことだ。
一方、今回の職場体験では生徒の一人が「ラジコンの芝刈り機はコース上のどこで使うんですか?」と食いついたとか。以前、栃木のゴルフ場で無人芝刈り機を担当している20代の社員は「最新機器を扱う仕事は楽しい」と目を輝かせていた。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)に注力し、最新の機器が扱える。そんな職場に若い人材は魅力を感じている。人手不足に悩むゴルフ場としては、この辺りは“売り”になるかもしれない。
横須賀とは対照的に、校外学習が行われたニュー南総GCのある市原市には、現在日本最多の33コースが点在。同市は高校生のゴルフ体験会にも力を入れており、2024年は地元の高校5校から参加した48人のうち、9人がゴルフ場に就職している。
ゴルフ場の立地という動かせない問題以上に魅力的な職場となることが求められている。(取材・構成=日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川 朗)
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