<Sky レディスABC杯 最終日◇9日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6680ヤード・パー72>
初日から3日間すべてバーディをとってきた15番パー5。大会連覇を目指した17歳の後藤あい(兵庫・松蔭高3年)の狙いは、イーグルしかなかった。トップのリ・ハナ(韓国)とは3打差。飛ばし屋JKにとって、追いつくための当然の選択だった。
ティショットはフェアウェイをとらえた。ピンまで235ヤードの2打目。240ヤードはコンスタントに飛ばせるミニドライバーを強振した。だが、ボールはグリーン右ラフ。左足下がりの難しいライからの3打目はピンを大きくオーバーした。バーディも逃し、その時点で、アマチュアではレギュラーツアーも含めて史上初となる複数回優勝は極めて難しくなった。
「2打目はちょっと傾斜がキツかったけど、ちょうどミニドラの距離だったので、ここで出し切ろうと思って振りました。その前からアイアンショットが右に行っていて…。そこは、頑張ってつかまえようと思って少し無理をしました。でも、狙った結果なので仕方ないです」
ボールが右に出るのを強引に押さえ込んだ影響で、9月に痛めていた右肩甲骨に痛みが走った。直後の16番パー3はティショットをグリーン右に外してボギー。それでも、17番でバーディを奪い、2打目が池越えの名物ホールの最終18番パー5もバーディ締め。左ラフから残り180ヤードを6番アイアンでグリーン左奥のエッジまで運び、最後までハナにプレッシャーをかけた。
「最初は刻もうかなと思ったけど、18番にはギャラリーの方もいたので、イーグルが獲れたらいいなぁと思って狙いました」
4バーディ・2ボギーの「70」と2つ伸ばし、トータル11アンダー。結果的に、順位も首位との差もスタート時と変わらなかった。「去年は最終日にスコアを落としても、あまり差が開かなかったので、たまたま勝てたという感じでした。今年は伸ばし合いで、落としたら離されていく。自分が伸ばさないと勝てない展開だったけど、いい位置で終わることができたのでよかったです」。先週は愛知で開催されたアジア大会に出場。「難しいコースで頭がすごく疲れました。体は大丈夫だけど、そこの部分も少し…」と大きく息を吐いた。
11月には最終プロテスト(3~6日/茨城・静ヒルズCC)を控える。9月の「住友生命レディス東海クラシック」では大会恒例の「ドライビング女王コンテスト」で273.2ヤードをかっ飛ばし、2年連続で優勝した。規格外の飛距離が魅力の17歳の注目度は高まるばかりだが、「プロテストは通ればラッキーくらいの気持ちで行ったほうがいいのかなと思っています。今週も連覇とかのプレッシャーはまったくなかったです」と肝が据わっている。
「まだ全然足りないところばかり。きょうもショットは悪いし、パットもダメ。直さないといけないところは全部。しっかりレベルアップしていきたい」
2週後にはプロテスト前の最後の実戦となるレギュラーツアー「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」(22~25日/兵庫・マスターズGC)に出場する。「成績というより、自分の納得がいくショットを打ちたい。自分が打ちたい球をもっと増やしていきたい。パットも入れたいという欲をなくして、自分のストロークをしたいです」。日々成長。ひたむきな気持ちこそが、17歳の最大の強みかもしれない。(文・臼杵孝志)
