ドナルド・トランプ米大統領が所有するフロリダ州のトランプ・ナショナル・ドラル・マイアミが、来季からPGAツアーの開催コースとして復活。そのタイトルスポンサーをキャデラックが務めることが発表された。
大会名は「キャデラック選手権」(4月30日~5月3日)。2016年に世界選手権シリーズとして同地で開催されて以来、10年ぶりにキャデラックがトランプ氏所有コースでタイトルスポンサーとして戻る形となる。
PGAツアーのCEO、ブライアン・ロラップ氏は「世界トップのブランドであるキャデラックの復帰を歓迎する。PGAツアーとのパートナーシップは伝統あるトランプ・ナショナル・ドラルと密接に結びついている」とコメント。「マイアミのゴルフファンにPGAツアーの新しい時代を届けるため、キャデラックの支援に感謝したい」とした。
PGAツアーとドラルの関係は長い。1962年から2006年までドラル・ゴルフリゾートのブルーコース、通称“ブルーモンスター”で「ドラル・オープン」を開催。2007年からは世界選手権シリーズの舞台となり、2011年からはキャデラックがタイトルスポンサーを務めた。2012年にトランプ氏が同コースを買収し、トランプ・ナショナル・ドラル・マイアミに名称が変更された。
しかし2016年、当時米大統領選に出馬していたトランプ氏の一連の人種差別的発言を受け、PGAツアーは同氏所有コースでの開催を取りやめた。さらに、その発言の標的の一つとされたメキシコへ大会を移転し、「WGC-メキシコ選手権」として開催した。
その後、トランプ氏はPGAツアーを批判。LIVゴルフ発足後には、トップ選手に移籍を呼びかける動きも見られた。米大統領2期目となった今年2月には、ホワイトハウスにPGAツアーのジェイ・モナハン会長やプレーヤーディレクターのアダム・スコット(オーストラリア)らを招き、LIVゴルフとの統合を後押ししたが、現時点で両ツアーの統合は実現していない。(文・武川玲子=米国在住)
