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ウッズ、DJ、ウォーカー…ケガ、病気続きの米ツアーだからこそ【舩越園子コラム】

ウッズ、DJ、ウォーカー…ケガ、病気続きの米ツアーだからこそ【舩越園子コラム】

配信日時:2017年4月24日 11時57分

マスターズでは開幕前日に世界ナンバー1のダスティン・ジョンソンが階段から転落して腰と肘を強打。初日のティオフ直前まで希望を捨てず練習場で球も打ったが痛みには勝てず、泣く泣く棄権したことは記憶に新しい。

どんなに強い選手、どんなに強かった選手でも、健やかな心身を損なえば戦うことはできない。どんなに技術を磨いても、それを発揮することができない。アスリートにとってその状況は戦って敗北を喫するより辛いこと。そうならないためにも日頃からチェックアップを含めた心身のケアを怠ってはならない。ここ数週間、ジョンソン、ウッズ、ウォーカーらの傷病の知らせに次々に触れ、そんなことを痛感させられた。

今大会を制したケビン・チャペルは2008年にプロ転向してからの10年近い歳月の中、勝利を挙げたのは下部ツアーでの1度だけだった。米ツアーではぎりぎりで勝利を逃してばかりで、2011年の同大会では1打差で惜敗。昨年はRSMクラシックケビン・キスナーに敗れ、A・パーマー招待とプレーヤーズ選手権ではどちらもジェイソン・デイに優勝をさらわれた。最終戦のツアー選手権ではローリー・マキロイライアン・ムーアとの三つ巴に敗れ、実に年間4度の惜敗。

それでもチャペルがずっと戦い続けられたのは、彼が健やかな心身を保っていたからだ。今年のマスターズでは7位に食い込み、調子を上げていた。

そして今週。首位で迎えた最終日、72ホール目のパー5でウイニングパットとなった2メートル半をしっかり沈め、ガッツポーズ。「勝因?最後のホールを4で上がったこと」心身に不安も悩みも痛みもなく、目の前の一打だけ、スコアだけに集中できることは何よりも強い。キャリア180試合目にして、ついに挙げたチャペルの初優勝は、あらためて健康の大切さを教えてくれたように思う。

文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)

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