岩田寛、惜しくも日本人初の世界ゴルフ選手権制覇ならず…3位タイ
その欧州ツアーを2005年1月から10年に渡って率いてきたジョージ・オグラディ会長(チーフ・エグゼクティブ)が先日、辞意を表明した。今後はゴルフが公式競技へ復帰する2016年のリオ五輪へ向け、国際交流の代表として欧州ゴルフのPR等に尽力していくそうだ。
オグラディ氏のこの10年間の努力と工夫をあらためて振り返ってみると、欧州ツアーにも日本ツアーと似た問題があったことがわかる。欧州ツアー会長に就任した直後、オグラディ氏は欧州ツアーのフルメンバーシップを維持するための義務試合数を年間11試合から13試合(メジャー4大会とWGCイベント含む)へ引き上げ、当時は欧米両ツアーに参戦する欧州選手や関係者の間で大いなる論議を巻き起こしたことがあった。
当時、オグラディ氏が、なぜ義務試合数を増やしたかと言えば、スター選手が欧州から流出し、米ツアーに取られてしまうことを防ぎたいという思惑があった。欧州ツアーを盛り返し、盛り上げることはオグラディ氏に課せられたミッション。だが、会長就任と時を同じくして、ティム・フィンチェム会長率いる米ツアーがさまざまな改革に乗り出し、それが欧州ツアーを苦しめる結果になった。
米ツアーは“第5のメジャー”、プレーヤーズ選手権の開催時期を従来の3月から5月に変えたが、これが欧州ツアーの最盛期にぶつけられる形になった。米ツアーがフェデックスカップを創設し、シーズンエンドのプレーオフやビッグな10ミリオンのボーナス提供を決めたことで、「どっちを選ぶか」を迫られた欧州選手たちの多くが金銭的魅力の大きい米ツアーをこぞって選ぶ形になった。