いや、当たり前のことがなかなかわからない、気づけないという現象は、外国人選手のみならず、母国の米国人の若者たちも必ず最初は直面する問題で、だからこそ、ジュニアのうち、アマチュアのうちから米ツアーを経験させ、プロとしての厳しさ、ツアーで戦う大変さを五感で感じさせる。そうやって、3年、4年、5年というスパンで若者を育て、プロの世界へ導いていく。地元のファンは、その長いプロセスを含めて、プロ予備軍にも若きプロにも温かい声援を送る。
だからテキサスの人々はスピースやシェフラーにエールを送り続ける。そういう文化が醸成されているからこそ、大物選手がいなくても、米ツアーの試合は盛り上がる。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)