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【舩越園子コラム】クーチャーがメジャーに勝つ日

【舩越園子コラム】クーチャーがメジャーに勝つ日

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2014年4月21日 10時53分

 思えば、90年代後半、ドナルドは「欧州一、世界一のアマチュア」と呼ばれ、全米アマを制したクーチャーは文字通り「米国一のアマチュア」に輝いた。プロ転向し、「今度は世界一のプロになることを目指す」と語ったドナルドの希望に満ちた表情は今でも忘れられない。

 一方、クーチャー旋風の中、高額のスポンサー契約のオファーをすべて断り、大学卒業と社会人経験を優先してプロ転向のタイミングを遅らせたクーチャーが「見聞を広げてからプロになって良かった」としみじみ語った日のことも忘れられない。一口にプロゴルファー、米ツアー選手と言えども、それぞれに、それぞれの道がある。

 クーチャーは2000年、ドナルドは2001年にプロ転向。以後の10数年間でドナルドは米ツアー5勝を挙げ、一度は世界ランク1位に輝いて「世界一のプロ」になった。クーチャーは2012年のプレーヤーズ選手権、2013年のアクセンチュア・マッチプレー選手権、メモリアルなどビッグなタイトルを次々に獲り、今大会で通算7勝目を挙げた。

 だが、どちらも今なお「メジャータイトルなきグッドプレーヤー」のままで、彼らがメジャー優勝できないのはゴルフ界の七不思議の1つと言っても過言ではない。

 実際、クーチャーは先週のマスターズで優勝争いに絡み、最終日は首位に立った場面も瞬間的にはあった。その前週、前々週のテキサス2戦は4位と2位。マスターズは5位、そして今週は優勝。「多くの選手はメジャーに照準を合わせて調子を上げていき、メジャーで自分のゴルフを最高レベルに持っていく。だからメジャー翌週はその余韻で好プレーができることは多い」。クーチャーは持ち前の穏やかな笑顔のまま、そう分析した。

 クーチャーの過去の戦績を振り返れば、マスターズは今年が8度目の出場で一昨年は3位、昨年は8位、今年は5位。その翌週のヘリテージは過去にトップ15入りが4回。なるほど、彼が唱えた「メジャーと翌週の好調持続説」は数字が実証している。

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