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【舩越園子コラム】「明日は我が身」だからこそ

【舩越園子コラム】「明日は我が身」だからこそ

配信日時:2014年3月3日 11時58分

 マキロイの人生は一見、光り輝いて見えるけれど、その一方で彼はずいぶんたくさんの浮沈を経験してきている。11年マスターズでは、優勝はほぼ間違いないと自らも周囲も信じていたが、最終日のバック9に大崩れして沈み、悔し涙を飲んだ。が、その2か月後、全米オープンを文句なしに圧勝し、彼は再び浮き上がった。

 このホンダ・クラシックだけを振り返っても彼の激しい浮沈が見て取れる。12年大会の優勝は彼を世界一の座に押し上げた。が、その1年後の13年大会では、不調の中、歯痛を理由に途中棄権し、仮病ではないかと不評を買った。そして、その1年後の今年は完全優勝達成と目されながらプレーオフに持ち込まれ、逆転負けを喫した。

 そのすべての浮き沈みが、マキロイという一人の選手のほんの3、4年間という短期間の中で起こってきたのだから、やっぱり熾烈な米ツアーにおいては、いいことも悪いこともどんなことも、突然起こりうるわけで、何に対しても「明日は我が身」と思ったほうがいい。

 米ツアー選手たちは、成績が上がるか下がるか、勝つか負けるかの境界線は「ファインラインだ」と言う。直訳すれば「極細の線」。わかりやすい日本語に置きかえると「紙一重」。つまり、ほんのちょっとしたことで、調子や順位や成績は良くもなるし、悪くもなる。

 今大会で松山英樹は棄権し、石川遼は予選落ちとなったが、そんな彼らの明日や来週が、ほんのちょっとしたことで突然光り輝く可能性はあるわけで、そう考えれば、この大会における「棄権」や「予選落ち」を必要以上に取り沙汰するのはナンセンスだ。

 だが、だからと言って、いいこと悪いこと何かが起こることを、ただ待っているのもナンセンスだ。マキロイは11年マスターズの最終日に大崩れした後、同じ轍を踏まないためにはどうしたらいいかと考えたそうだ。

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