そんなふうに考え方を方向転換してからというもの、マキロイは「54ホールでリードを奪ったら必ず勝つ」という自身の記録を更新してきた。そして、今大会でも、やっぱり同じように最終日は守らず攻めて完全優勝を達成するつもりだった。
「今日は勝つための完璧なチャンスだった」
それなのに勝利を逃した。プレーオフで負けたのだから、形としては惜敗だ。しかし、マキロイ自身は、むしろ完敗を認めていた。
「優勝するという任務を遂行する上で、今日の僕のプレーぶりは十分なものではなかった。もしもプレーオフで僕が勝っていたら、優勝の二文字にふさわしくない勝ち方をしてしまったなと感じていただろうね」
否が応でも浮沈を繰り返す米ツアー選手たち。彼らは、いいことも悪いことも「明日は我が身」の不安定な世界で生きている。