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グリーンブック禁止の初戦、感性の勝利は「これぞ、ゴルフ」だった【舩越園子コラム】

グリーンブック禁止の初戦、感性の勝利は「これぞ、ゴルフ」だった【舩越園子コラム】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2022年1月10日 12時00分

オーストラリアのブリスベンで生まれ育ったスミスは「ハワイの芝や芝目の強いグリーンは、ブリスベンの故郷のゴルフ場を思い出させてくれるから、とても心地よくプレーできる」と語っている。

2013年にプロ転向し、2015年から米ツアー参戦を開始したスミスは、2人1組で戦うチューリッヒ・クラシック・オブ・ニュー・オーリンズ2勝(2017年、2021年)のほか、2020年のソニー・オープンでも勝利を挙げ、今回の勝利は通算4勝目となった。

母国によく似たハワイで個人戦2勝と強いのは、生来の感性を生かせる場所できっちりそれを生かしているからで、そんなスミスのフィーリング重視のゴルフには、グリーンブックの出る幕は、そもそもほとんどない。だからグリーンブック禁止によるダメージも、彼にはないと言っていい。

高い感性とともに、もう1つ、スミスのゴルフには高い安定性も備わっている。思い出されるのはコロナ禍で11月に開催された2020年マスターズ。スミスは4日間すべてを60台で回り、これはタイガー・ウッズですら達成したことのないマスターズ史上初の記録となった。それでも結果的に優勝はダスティン・ジョンソンに持っていかれ、スミスは2位に甘んじた。

しかし、スミスの驚くほどの安定性と持久力は、彼の生来の感性とうまくマッチすれば、驚異的なパワーとなって発揮されるだろうと見られていた。それが現実になったのが、トータル34アンダーで彼が勝利した今大会だった。

72ホール目。スミスもラームもイーグルパットに挑む際、五感をフル稼働させながら、ラインを読み、ストロークを思い描き、どちらも見事にカップに寄せた場面が心地よかった。そして、外せばプレーオフというプレッシャーの下、1.2メートルのラインを凝視し、深呼吸し、ウイニングパットをしっかり沈めたスミスの姿に「これぞ、ゴルフ」を感じた。

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