ゴルフ人口がまだ少ないチリからも、使命感をもって来日した選手がいる。22歳のホアキン・ニーマンだ。プロゴルファーが60名、アマチュアが1万5000名、そしてコースも50カ所とまだまだ発展途中のチリ。PGAツアーで優勝し、ラテンアメリカには根強いファンを持つニーマンは、「五輪は僕にとってとても重要」と語っている。
「チリのメディアも五輪にとても注目している。金メダルを懸けてプレーすることができるのは最高だ。チリで金メダルを取った選手はこれまで多くはいないから、名誉になるだろう」。
実際、チリが金メダルを獲得したのは40回のオリンピックで4つのみ。ニーマンの活躍が、母国に大きな影響を与えることがわかるだろう。
「母国を代表することが夢だった」と、ゴルフバッグにはチリの国旗の刺しゅう。「ようやくオリンピックを迎えて、最高の気分だ」と笑う。
世界ランクトップ選手の不在に、落胆したファンも多いだろう。しかし、国の威信やプライドをかけて乗り込んできた若手たちが、霞ヶ関カンツリー倶楽部を大いににぎわせてくれるに違いない。