さらに言えば、ここ数週間は、6月の全米オープンに特別招待で出場することの是非が取り沙汰されたり、新ツアー構想として浮上しているSLG(スーパーリーグ・ゴルフ)に移籍しそうな選手の筆頭に挙げられ、ミケルソン自身、「とても興味深い」と語って物議を醸したりと、喧騒のまっただ中にいた。
一方のケプカは、通算8勝のうちの4勝がメジャー優勝の「メジャーに強い男」だ。緊張やプレッシャーとは無縁の「鉄の心臓」の持ち主だと言われている。心配されていたのは満身創痍の肉体。とりわけ両ひざは、ラインを読む際もボールを拾う際も、しゃがむことすらままならない状態だった。
しかし、ゴルフというものは「メンタルの戦い」「フィジカルの戦い」と分けられるものではない。実際、いざ蓋を開けてみれば、「両膝はテーピングをしているし、安定している」というケプカは、「フィジカルの戦い」とはならず、むしろメンタル面から揺らいでいった。
2日目以降、パットが不調で、「キャリアで最悪だった」と言ったケプカは、あれやこれやと悩み抜き、試行錯誤しながら最終日に挑んだ。しかし、タッチもフィーリングも合わず、パットの狂いがショットの狂いも誘発した。
「パットは終始、感触が悪かった。なぜそうだったのかはわからない。あれこれ考えすぎて悩み過ぎ、調整しすぎたのかもしれない」