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被災地を勇気づけた 松山英樹のマスターズ快挙と幻の首位発進【震災から10年 ゴルフ界の歩み】

被災地を勇気づけた 松山英樹のマスターズ快挙と幻の首位発進【震災から10年 ゴルフ界の歩み】

所属 ALBA Net編集部
谷口 愛純 / Azumi Taniguchi

配信日時:2021年3月8日 14時53分

悲しみに暮れる日本に最高のニュースを届けた松山英樹
悲しみに暮れる日本に最高のニュースを届けた松山英樹 (撮影:GettyImages)
東北地方を中心に、甚大な被害をもたらした東日本大震災。本震からまもなく10年を迎える。地震発生の直後からゴルフ界でも様々な支援活動が行われる中、当時19歳の松山英樹が、遠く離れた米国から自身の活躍で被災地を勇気づけた。

松山英樹、2021年のドライバースイング【連続写真】

2011年当時は東北福祉大の2年生。地震発生時はオーストラリア合宿で日本を離れていた。前年の「アジアパシフィックアマチュア選手権」優勝で出場権を得た「マスターズ」への初挑戦を目前に、合宿から帰国した後は大学構内での避難所生活も経験。そんな中、約1カ月後に迎えたマスターズでは、ローアマのシルバーカップを手に、堂々のスピーチを披露することになる。

最終日、トータル3アンダー・18位タイからスタートした松山はスコアを2つ落としながらもトータル1アンダー・27位タイでホールアウト。日本人のアマチュアとして、初めてマスターズの表彰式に出席した。伝統のトロフィーを受け取り、「日本の被災地はまだ大変ですが、マスターズでのプレーで少しはみんなに希望と喜びを与えられたと思います」と、第二の故郷への思いを背負った戦いぶりに、会場からは拍手が巻き起こった。

プロ転向を果たした13年には、復興支援のための“基金”を設立。10月の「ザ・プレジデンツカップ」から、松山が奪った1バーディにつき1万円、1イーグルにつき2万円を東北の復興支援金として寄付することを宣言し、米国を主戦場に置いても故郷への気持ちを忘れずに戦う決意を形にした。

昨年の3月の「ザ・プレーヤーズ選手権」でも、その思いが結果として表れた。初日に「63」のコースレコードをマークして堂々の首位発進。新型コロナウイルス感染症の影響で大会の中止が決定し、松山の快進撃は“幻”となってしまったが、米ツアー通算6勝目への期待を大きく膨らませた。

開幕前日の11日、東日本大震災の発生から9年を思い、「あのときに見た光景はすごかったし、今でも復興していないところもある。試合で頑張って、応援してくれている人が元気になれば一番いいと思う」と語った松山。自身の活躍で被災地へ勇気を届けるとともに、東北への思いは松山にとっても背中を押されるものなのかもしれない。3.11から10年がたとうとしている今年、一層の活躍に期待せずにはいられない。

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