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ブライソン・デシャンンボーは時代の「寵児」【舩越園子コラム】

ブライソン・デシャンンボーは時代の「寵児」【舩越園子コラム】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2021年3月8日 12時00分

戦いの場は、デシャンボーが敬愛してやまないアーノルド・パーマーのお膝元、ベイヒルだ。パーマーは2016年9月25日に逝ってしまったが、そのパーマーが亡くなる直前にデシャンボーに出した手紙が「パーマーが亡くなった1週間後に僕に届いた」。

当時のデシャンボーは2015年全米アマを制し、2016年にプロ転向して下部ツアーで初優勝を挙げたばかりで前途洋々だった。「パーマーはゴルフ界の未来をとても気にかけていた。パーマーはゴルフという枠を超えて僕の人生を変えた存在だ」。

パーマーからゴルフ界の未来を託され、今は亡きキングの願いを胸に抱いて最終日を戦ったデシャンボー。彼が被っていたのは、ベン・ホーガンを象徴するハンチング帽。そんなふうにデシャンボーは歴史の偉人たちへの尊敬と敬愛の念にあふれている。だからこそ彼はレジェンドから愛されるのかもしれない。

最終日の朝、「タイガー・ウッズからメールをもらった」。2月23日に交通事故で足に重傷を負い、いまなお入院しているウッズから「頑張れ!戦い続けろ!」と激励されたデシャンボーは、授けられたさらなるパワーを感じながら1番ティに向かった。

振り返れば、昨年の全米オープンで快勝したデシャンボーは、その後も体重アップ、飛距離アップ、ドライバーの長さアップに躍起になっていたが、その勢いのまま臨んだマスターズでは原因不明の体調不良に陥り、34位タイに終わった。

その後は、心臓や脳、目、耳、首筋の血流にいたるまで、あらゆる検査を受けたが異常は認められず、最終的には過度の緊張によって脳の前頭葉が過敏に反応することによる神経性の体調不良と診断された。そして、規則正しい生活と睡眠、リラックスと深呼吸を心がけ、体調もゴルフの調子も我慢強く徐々に整えながら今大会を迎えた。

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