だが、大観衆の割れるような拍手と歓声の中で、スターであることを実感しながらプレーしてきたタイガー・ウッズ(米国)とロリー・マキロイ(北アイルランド)は、無観客試合に大きな違和感を覚え、苦戦している。
「あんなタイガーを見たのは初めてだった」
ウッズの相棒キャディのジョー・ラカバが驚き混じりにそう明かしたのは、3日目のラウンド後の出来事だった。ウッズは同組で回ったマキロイとコース内の屋外テーブルでランチを共にした。
「タイガーがラウンド後に他選手とランチなんて、これまで1度も無かったことだ」
アスリートたるもの、たとえ下位に沈んでいようとも、同じ土俵で戦う相手と和気あいあいの食事など、もってのほか。それが従来のウッズの姿勢だったが、頑なに守られてきた流儀がついに破られたことは、ラカバにとっては衝撃的だった様子だ。
