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ミケルソンが動いている球を打っちゃった! 目を疑ったあの瞬間【現場記者の“こぼれ話”】

ミケルソンが動いている球を打っちゃった! 目を疑ったあの瞬間【現場記者の“こぼれ話”】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2020年6月20日 12時40分

ホールアウト後、スコアカード提出所からなかなか出てこないミケルソン。目測ですが、海外の記者が50人以上押し寄せ異様な雰囲気に。15分ほど待ってようやく出てきたミケルソンを記者が囲みました。そこで出たミケルソンの言葉は「ペナルティと分かって打った」でした。下りのパットがカップを通り過ぎ、傾斜で段を滑り落ちそうになったとき、あわてて球に走り寄り、それをカップに向かって打ってしまったのです。

当然ペナルティが科されるわけですが、「ゴルファーとしてどうなのか」、「品格に欠ける」、「あってはならないこと」など、米ゴルフ界でいちばんといってもいいスターの行為は非難されました。私もあのときは、いくらルールどおりペナルティを科せられたとしても、あってはならないことと、強く批判する記事を出しました。

現場にいるときは、自分が見た情報をすぐに原稿にしなければなりません。時差があるとはいえ、これは大きなニュースと思い、即座に日本に原稿を送りました。紳士のスポーツであるゴルフの品位を汚す行為という論調でした。ところが、これに対して数々のご意見をいただきました。「罰打が科されたのだからいいじゃないか」という意見を聞いたとき、なるほど、それも一理あると思ったものです。

動いている球を故意に打つことなどあってはならない。そう思い込んでいた私は、この事件とこの記事について、しばらく悩みました。米国の記事も概ねミケルソン批判のものでしたが、世間の論調は意外とそうでもない。淡々と事実だけを書くべきだったのか。今でもその答えは出ていません。「やってはいけないこと」という気持ちは今も変わっていないのですが、報道としてはどうだったのだろう、と。

今後、このような行為があるとは思えませんが、もしあったときはどんな原稿を書くのがいいのか。今更ですが、もっとゴルフに対する視野を広めていけるようにしていきたいと思います。(文・高桑均)

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