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21歳の若きファルドは体を大きく使った逆C字型フィニッシュだった【レジェンドのスイング回顧録】

21歳の若きファルドは体を大きく使った逆C字型フィニッシュだった【レジェンドのスイング回顧録】

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2020年5月15日 07時00分

マスターズ3勝の名手 若手時代のファルドを井上透が解説
マスターズ3勝の名手 若手時代のファルドを井上透が解説 (撮影:GettyImages)
イングランド出身のニック・ファルドは1957年生まれで1976年にプロ入り。1977年に20歳のときに欧州ツアーで初優勝。以降、欧州ツアー通算33勝、米ツアー通算9勝を挙げた。その中には全英オープン3勝、マスターズ3勝のメジャー通算6勝を含んでいる。191センチの長身から繰り出す美しいスイングで一時代を築いた。そんなヨーロッパを代表するレジェンドであるファルドの21歳のときのドライバーを、ゴルフスイングの歴史に詳しいプロコーチの井上透氏が解説する。

貴重! 若手時代のファルドは逆C字型フィニッシュだった!【連続写真】

1978年のスイングなので、デービッド・レッドベターとスイング改造に取り組む前ですね。若いときはジャック・ニクラスっぽい逆C字型のフィニッシュを取っていました。この頃からきれいなスイングです。地面から大きな力を得ようとしているというより、きれいな動きで打っています。

どちらかというと切り返し動作のタイミングは遅め。左方向へ骨盤を動かしてスイングしています。そしてダウンスイングではクラブを後ろに倒す動作が入る。彼の『勝利への公式』という本の中でも、クラブを後ろに倒すイメージを取っていました。時代によって名前が変わるだけで、クラブを振るという動作の中でシャローイングが起こらないことはありません。それにより前傾が起きずに手元が低い位置に下りてくるのです。

ニクラスの逆C字型フィニッシュの時代があって、次にカーチス・ストレンジのI字型フィニッシュの時代が来て、その後にファルドの時代がやってきます。バックスイングで手首のコックを早めに作って、最後は完全に左足1本に乗せてI字型フィニッシュを取る。レッドベターと取り組んだ余計な手と体の動きを排除したスイングです。それは、このスイングの後の話になります。

■解説・井上透
1973年生まれ。神奈川県出身。1997年からツアープロコーチとしてのキャリアをスタート。中嶋常幸、佐藤信人、米山剛などのコーチを務めた。現在は成田美寿々や穴井詩らを指導している。東京大学ゴルフ部監督としての顔も持つ。

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