そんなふうに、ツアーも選手もみなポジティブでアクティブであることが、米ゴルフ界の大きな力になっている。そして、その力は、ゴルフ以外のフィールドにも向けられているところが素晴らしい。
たとえば、ラスベガスはカジノとゴルフ場の街であり、米ゴルフ界の選手たちの多くにとって、ラスベガスは思い出多き所縁の地だ。今、感染拡大の影響でゴーストタウンと化しているラスベガスでは、カジノホテルの従業員たちが失業状態に陥っており、そうした人々を助けようということで、カジノ好きのジョン・デーリーを筆頭に、若手選手のコリン・モリカワやラスベガス在住の名コーチのブッチ・ハーモン、それにミシェル・ウィーやブリタニー・リンシコムといった女子選手たちも大勢加わり、オンライン・ポーカーを行なって、勝ち取ったお金を寄付している。
ユタ州出身の米ツアー選手、トニー・フィナウは、同州がボランティア1万人を集めて推進している医療用マスクやフェイスシールドなどの手作りプロジェクトに参加している。
「今、僕もユタの人々も、気持ちはすべてここにある。医療最前線の人々に感謝し、敬い、みんなで助ける。パンデミックの真っ只中で、考えるべきこと、やるべきことは、これ以外にはない」
そう言い切るフィナウは、マスク500万枚、フェイスシールド5万個、それに再利用可能な医療用ガウンを作るボランティア・ワークに懸命に取り組んでいる。
