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「またマスターズで勝てるなんて…」 タイガー・ウッズが43歳でつかんだ万感の勝利【マスターズ・プレーバック】

「またマスターズで勝てるなんて…」 タイガー・ウッズが43歳でつかんだ万感の勝利【マスターズ・プレーバック】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2020年4月10日 17時00分

3日目には「67」をマークするなど、その勢いはさらに加速。最終日をトップと2打差の2位タイで迎えることになった。優勝が見える位置ということに加え、世界中のゴルフファンからの期待を一身に浴びる状況。「当然プレッシャーはある。トーナメントで戦い始めてから常に感じてきた。なくなるのは引退の日」。稀代のスーパースターは、その重圧をこんな言葉で表現した。

その最終日は嵐予報のため、スタート時間を早め、3サムでアウト・インからのスタートという異例の措置がとられた。そして、そのなかでの優勝争いはし烈を極めるものとなる。終盤の15番に入った時点で、首位にはウッズのほか、同組のフランチェスコ・モリナリ(イタリア)ら5人が並ぶ展開。そんななかウッズは、この15番でバーディを奪い単独トップに躍り出た。

後続に2打差をつけ迎えた最終18番パー4。セカンドショットをグリーン右手前に落としたウッズは、3打目でこれを3mに寄せ、大歓声のなかグリーンへと上がった。続くパーパットはわずかに外れたものの、数10センチ残ったボギーパットを沈め、力強く拳を握った。その後、両手を空に突き出し、言葉にならない雄たけび。それをかき消すように、パトロンからの「タイガー! タイガー!」という大歓声がコースに響き渡った。

これが“帝王”ジャック・ニクラス(米国)の6度に次ぐ、5度目のマスターズ制覇。メジャー優勝は11年ぶり、さらにグリーンジャケットに袖を通すのは14年ぶりのことだった。

「再び第一線の舞台で優勝できるなんて想像していなかった。今はまだ何を話していいか分からないくらい嬉しい。自分にとって一番難しい優勝だった。またマスターズで勝つことができるなんて…」。1997年に21歳3カ月14日で初優勝を挙げてから22年が経過していた。大会最年少優勝を果たしたかつての青年は、43歳でまたしても大きな1勝をつかんだ。

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