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コービー・ブライアントの魂が導いた勝者と敗者【舩越園子コラム】

コービー・ブライアントの魂が導いた勝者と敗者【舩越園子コラム】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2020年2月3日 12時02分

ブライアント氏の魂を胸に挑んだフィナウ(右) プレーオフではシンプソン(左)に敗れた
ブライアント氏の魂を胸に挑んだフィナウ(右) プレーオフではシンプソン(左)に敗れた (撮影:GettyImages)
毎年、「ウェイスト・マネジメント・フェニックス・オープン」は明るいお祭りムードで沸き返る。だが今年は、賑わいの中にも例年とは異なる空気が流れていた。

“粋”なはからい 名物ホールの花道には…【写真】

1週間前の1月26日、NBAの元スーパースター、コービー・ブライアントがヘリコプターの墜落事故で命を落としたことは、米ゴルフ界にも衝撃をもたらした。ゲーリー・ウッドランド(米国)いわく、「コービーはバスケットボール界の象徴のみならず、世界の象徴だ」。だからこそ今大会は、ブライアントを弔う大会になった。

ロサンゼルス・レイカーズのユニフォームを着たギャラリーの姿があちらこちらに見られ、人々の胸には背番号「8」と「24」が付されていた。「8」はブライアントのレイカーズ入団当初の背番号。その後、途中から「24」に変わった理由は「謎のまま」だそうだが、マイケル・ジョーダンの「23」の上を行くという意味で「24」になったという説もあるらしい。ブライアントが亡くなった今、「8」も「24」もレイカーズの永久欠番になった。

最終日、TPCスコッツデールの名物ホールである16番(パー3)では午前8時24分にカップが切られ、片面に「8」、逆側の面に「24」が付されたピンフラッグがはためいていた。カップの位置はグリーン左エッジから8ペース、手前エッジから24ペース。グリーン手前の花道にも「8」「24」の数字がデザインされていた。すべては、米ツアーの粋なはからいだった。

そんな中、ブライアントの突然の死にとりわけ強いショックと落胆を覚えているトニー・フィナウ(米国)が優勝争いに絡み、勝利を目指して黙々と闘う姿を見て、多くの人々が彼の背中にブライアントの魂を感じたことだろう。大学時代にバスケットボールからゴルフへ転向し、米ツアー選手になったフィナウにとって、ブライアントは幼少時代からずっと心の師と仰ぐメンターだった。

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