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DJの通算20勝目が示す最大の「意味」【舩越園子コラム】

DJの通算20勝目が示す最大の「意味」【舩越園子コラム】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2019年2月25日 12時59分

だが、ジョンソンはお世辞やおべんちゃらを言わない代わりに、批判や不満、文句もほとんど言わない。自分自身が「渦中の人」になったときでさえ、彼はいつも黙って現実を噛み締めていた。

2010年の「全米オープン」では最終日を単独首位で迎えながら「82」と崩れ、8位タイに甘んじた。その2カ月後の「全米プロ」では、72ホール目にバンカーをバンカーと認識できずにソールして罰打を科され、プレーオフ進出を逃がしたが、ジョンソンは「非は自分にある」と頷き、黙って去っていった。

2015年の全米オープンでは72ホール目にまさかの3パットを喫し、目前だった優勝を逃がした。後日、明かした「トロフィーの代わりに息子を抱いて帰りの車に乗った」という言葉が、彼の悔しさを物語っていた。

メジャーを初めて制覇したときでさえ、「渦中の人」だった。2016年全米オープン最終日、ジョンソンはルール委員の対応ミスにより、ホールアウト後に1罰打が科されるかどうかが曖昧なまま優勝争いをする羽目になったが、それでも彼は取り乱すことも声を荒げることもなく、静かに戦い通し、堂々、勝利した。

勝ったときは、さすがにほんの少し笑顔が混じる。だが、勝っても負けても、彼は常に「次」を考えているからこそ、どんなときも表情や姿勢にさほど違いが生じない。そして、今大会を制した直後に口にした「この優勝の意味」の中には、ジョンソンが2年前から心に誓い続けている「雪辱」という意味が含まれている。

2017年の春、ジョンソンは「ジェネシス・オープン」、「WGC-メキシコ選手権」、「WGC-デル・マッチプレー」を続けざまに制し、「僕のキャリアで最高の状態」で「マスターズ」を迎えたが、開幕前日にレンタルハウスの階段から転落し、腰を負傷。初日のティオフは叶わず、棄権を表明したジョンソンは、あのときも寡黙にオーガスタから去っていったが、胸の中には「次こそ勝つ」という想いをすでに抱いていた。その想いを糧に、この2年間、黙々と努力を積んできたのだと思う。

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