その2013年と翌2014年の大会を連覇したのは、米国人選手のライアン・ムーアだった。彼にとってはすでに米ツアー3勝目と4勝目だったが、それまでは波が激しかったムーアの成績は、CIMBクラシックで2連覇を達成して以来、すっかり安定し、トッププレーヤーの仲間入りを果たした。
2015年と2016年の大会を連覇したのは、やはり米国人のジャスティン・トーマス。米ツアーにデビューし、「ジョーダン・スピースの親友」としか呼ばれなかったトーマスが、CIMBクラシックで初優勝を挙げ、翌年は連覇を成し遂げたことが、以後、彼をメジャーチャンプへ、世界一へと押し上げた。
世界のどこかで米ツアーの大会が新設され、成功と発展を遂げたその大会がそうやって選手を育てていく。そんなCIMBクラシックの歩みには、これから米ツアーの新大会を迎え入れるとされている日本のゴルフ界が学ぶべきことがたくさんあるはずだ。
今年の大会は、マーク・リーシュマン、ゲーリー・ウッドランド(米国)、そしてインドの新人、シュバンカー・シャルマの3人が首位タイで最終日を迎え、安定したプレーを続けた34歳のリーシュマンが2位に5打差を付けて米ツアー通算4勝目を挙げた。
オーストラリア出身のリーシュマンがプロ初勝利を収めたのは2006年。その場所は母国ではなく韓国だった。以後、母国ツアーで2勝を挙げ、2009年から米ツアー参戦。2012年に初優勝を挙げたが、それでもリーシュマンは戦う場と機会を求め、まだ非公式大会だったCIMBクラシックに出場するため、マレーシアへ渡った。