<INTLOOPグループ レディースカップ 最終日◇16日◇平川カントリークラブ(千葉県)◇6419ヤード・パー72>
シーズン開幕前に行われたツアー外の2日間競技「INTLOOPグループ レディースカップ」は、昨年のQTトップ通過を果たしたルーキー・倉林紅(こう)が逆転優勝を飾った。
宮城県出身の2005年6月29日生まれ、20歳。名門・東北高の卒業生で、昨年3度目のプロテスト挑戦で合格をつかんだ。さらに、プロテスト合格年にQTトップ通過を果たすのは、2013年の藤田光里以来、史上2人目の快挙となる。
その実力者が早速結果を出したわけだが、最終日は波乱のスタートだった。初日に「70」をマークし、1打差の2位から出たが、4番パー5でダブルボギーが先行。ティショットを左ラフに入れると、刻んだセカンドショットがまさかのシャンク。さらに3打目は池ポチャとなり、「自分の悪い癖が出た」とスコアを落とした。
しかし悪い流れはそこまでだった。9番パー4、10番パー5でセカンド、サードショットをともにおよそ1メートルにつけて連続バーディを奪い、序盤のダブルボギーを帳消しにする。さらに17番、最終18番では約13メートルを流し込み連続バーディフィニッシュ。後半スタート時にしか見ていなかったというリーダーボードでは、先に「70」でホールアウトしていた吉澤柚月を逆転しており、「まさか逆転しているとは」と本人も驚く勝利となった。
「自分が得意とするショットの調子がよくない中で、いいゴルフができたと思います」と、この2日間を振り返った。
優勝賞金300万円に加え、ベストルーキー賞10万円、ベストスコア賞5万円(10万円を均等割)も獲得。弾道計測機『GCクワッド』を最近購入したというが、そのお値段は約220万~240万円とかなり高価。「クワッド代を稼いだと思って」と笑みを見せた。
昨年はプロテスト合格、そしてQTトップ通過と、これ以上ない成長過程を歩んでいるが、その背景にはマインドの変化があった。昨年7月に出場した「資生堂・JAL レディスオープン」では26位タイで大会を終えたが、「ショットがすごく調子が悪かった」と振り返る。
得意とするアイアンショットが乱れ、不安も大きかった中で「今やることをやるしかない」と割り切れたことが転機となった。完璧を求め過ぎていた自分を見つめ直し、この試合を境に結果がついてくるようになったという。
シーズン開幕を前に、ツアー前哨戦とも言える今大会で最高のスタートを切った。「1位という形ですごくうれしい反面、まだ経験したことが無いものが始まるプレッシャーも感じます。それも楽しみながら、プラスに考えて行けるように頑張りたい」。常に笑顔で明るい20歳が、いよいよプロとしての人生を本格的にスタートさせる。(文・齊藤啓介)
