独自の道を切り開き、プロゴルフの世界で戦っているひとりの選手がいる。26歳の女子プロゴルファー・識西諭里（おにし・ゆり）がその人だ。日本でのツアー生活を目指すも、これまでに7度挑戦したプロテストで合格をつかみ取れず、今年は米国、欧州と世界各国を股にかけて転戦を続けている。“未知の世界”に飛び込んで奮闘する姿を追う。先週はスウェーデンで行われた欧州女子ツアー「ヘルシンボリオープン」に出場。そして今週は同じスウェーデンで男女混合大会「ボルボ・カー・スカンジナビアミックス」を迎える。

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みなさん、こんにちは！ 先週の場所から少し移動はしましたが、引き続きスウェーデンに滞在し、試合に向けて調整してきました。ストックホルムから車で1時間ほどの場所で、男子も出場する大会に今週は出ます。前回も書きましたが、先週のはじめに体調を崩してしまって…。なんとか試合には間に合いましたが、プロアマで回ったインコースしか知らない状態で開幕を迎えました。先週まで現地に来てくれて、キャディもしてくれたコーチ（井上透氏）がコースチェックをしてくれたおかげもあり、なんとか予選通過はできました。

ずーーっと寝て過ごしていたこともあって、パッティングの感覚は最後まで合わなかったし、やっぱりくやしさは残っています。体調管理って大事！って改めて感じた1週間でした。思い返すと先週は、普段最低8時間はとろうと思っている睡眠も不足していました。ただ、もうバッチリ！ 体調が悪かった時は一日13時間くらいは寝てたし、今週に入っても10時間くらいは寝ています（笑）。大谷選手（メジャーリーガーの大谷翔平投手）もすごく睡眠をとるという話も聞くし…アスリートは睡眠も大事と言い聞かせてます（笑）。

さて今週ですが、試合前からたくさんうれしいことが起こってます！ 会場で練習ラウンドをしてたとき、遠くから『おつかれさまでーす！』って声が聞こえたんです。最初は誰か分からなかったんですけど、近づいてきたら…川村昌弘さんでした！ もちろん会場にいらっしゃるのは知ってたので、私から挨拶にいかないとと思ってたので、びっくりしちゃいました。川村さんは長年ヨーロッパでプレーしていて、私は勝手に先輩だと思ってきた存在。なんか『芸能人に会っちゃった！』っていう感覚になりました。すごく気さくな方で、川村さんのキャディさんが福岡の方だったこともあり、スウェーデンでまさかの地元トークもできちゃいました（笑）。

でも実は…川村さんとお会いするのは、これが初めてではないんです！高校時代に予選会を勝ち抜いて男子の大会（2015年北九州オープン）に出たことがあるんですけど、そのクラブハウスでお会いしたんです。そのときは、私が高校生ということもあって『かわいいね』ってほめてもらって。『川村さんにかわいいって言ってもらっちゃった～』って、すごくうれしかった記憶があります（笑）。会ったことがあるといっても私の一方的な記憶で、川村さんにしてみれば『はじめまして』という感じだったと思うんですが、勝手に“ヨーロッパで8年ぶりの再会”ってテンションが上がってました！

水曜日には川村さんや、大会に出場する久常涼君、キャディさんたちと一緒にご飯に行くこともできて、本当に楽しかったです！「毎週みなさんが居てくれたら幸せなのにな～」って思ったり。やっぱり日本語で話せるのはストレスがなくて、いいことですね（笑）…あ、でも残念なことがひとつ。楽しみすぎて、みんなで一緒に写真を撮るのを忘れちゃったんです。ほんとうに悔しい…。またお会いすることがあると信じて、過ごしていきます。。

今週は日本にはない男女混合競技で、分からないことばかりで探り探りになりそうです。コースもフェアウェイは狭いうえに、グリーンの傾斜も強くてとても戦略的。どれくらいスコアがでるのか想像もつきません。でも、新たな経験ができることはとても楽しみです！ あと今週はローカルキャディさんにお願いをしたんですけど、ものすごくナイスガイで、それも心強い。元ホッケーのプロ選手で、俳優やモデルもやっていてイケメンです（笑）いろいろと相談しながら、頑張ってきます！

■識西諭里（おにし・ゆり）
1997年4月16日、福岡県出身、26歳。福岡第一高卒。9歳でゴルフを始め、2015年の福岡県民アマチュアゴルフ選手権優勝などの実績を残す。昨年は予選会を突破し6月の「全米女子オープン」に出場。米国、欧州ツアーの予選会にも挑戦し、現在は欧州を主戦場にしている。身長166センチ。株式会社梅の花所属。