国内アパレル最大手のユニクロは4日、茨城県の茨城ゴルフ倶楽部(西コース)でジュニアイベント「フューチャー ゴルファーズ セミナー 2026 with アダム・スコット」を実施した。出席したのは2013年「マスターズ」制覇など米ツアー通算14勝を誇り、同社のグローバルブランドアンバサダーを務めるアダム・スコット(オーストラリア)だ。茨城で世界トップ選手の技、そして思考を学べる機会になった。
この日参加した関東ゴルフ連盟選出の中学から高校生のジュニアゴルファー26人にとって、貴重で濃密な時間が過ぎていった。レッスンは“アダム流”のウォーミングアップ方法を伝えることからスタート。「朝は練習ではなく、体の状態を見たり、感じたりする」「何ヤード飛ばすかが目的ではなく、自分の体がどう動くのかを把握する」など、実際に日々、考えていることが伝えられていく。
その後のグループレッスンでも選手それぞれの課題や悩みをアダムが聞きながら、それに対してアドバイスを送っていく。『アプローチで緊張してしまう』『試合になるとドライバーが曲がってしまう』…など、ジュニアゴルファーの悩みのひとつひとつに、技術面だけでなく、精神面からも対処法が教えられた。
さらに、1ホールを全員で歩いたデモンストレーションの時間は、アダムの“脳内”をより知ることができる機会になった。ティショット時、ピンを狙うショットの時、パター時に何を考えているかを、アダム本人が説明。トッププロのコースや状況把握の仕方やルーティンの意味などを深く知る時間だった。
最後には質疑応答の時間も設けられ、選手たちは聞きたいことを“おかわり”。なかには『なんで日本オープンに出場しているんですか?』というものもあった。
アダムは2014年に初出場し、昨年までに9度、日本のナショナルオープンをプレーしている。それに対して、「日本オープンは難しいから、絶対に勝ってやると思って出ている。君も一緒に出て、あのコースの難しさを経験して欲しい」と、柔らかな表情。そこに「僕の子どもの時の夢はオーストラリアオープンで優勝することだった。みんなも日本オープン、日本女子オープン優勝を目指して頑張って欲しい」というメッセージが添えられた。
選手たちのスイングなどを、とにかくほめながら進んでいく姿も印象に残った。イベント後の取材では「ここにいる子たちは、みなトップのジュニア選手だし、みんなには自信を持ってもらいたい。その自信をゴルフや人生に生かしてもらいたいから、メッセージを強く打ち出した」と語られる。成功するためには「練習」と「自信」が必要とも話したが、そんな気持ちが伝わってくる時間でもあった。
アダムは13年にユニクロとアンバサダー契約を締結。同年のマスターズではユニクロのウェアを着用しオーガスタを制している。今年6月の「全米オープン」でメジャー100試合連続出場という偉業を達成した46歳は、週明けには日本開催の米ツアー「ベイカレント・クラシック」にも出場するなど今も第一線でプレーを続けている。そんな選手と過ごした時間は、子どもたちにとって、なによりの刺激になったはずだ。
ユニクロは、22年から他競技も含めユニクログローバルブランドアンバサダーと取り組む次世代育成プログラム「UNIQLO Next Generation Development Program」を実施するなど、ジュニア世代の育成にも尽力している。これは『スポーツを通じ未来を担う次世代の子どもたちの成長を促し、より良い社会の実現を目指す』ことが目的になっている。今回のイベントは15年に第1回が行われ、今回が9度目の開催。ゴルフ分野では今後も、身長183センチのナイスガイが、未来のプロゴルファー育成に力を貸してくれそうだ。(文・間宮輝憲)
