<JLPGAファイナルQT 初日◇2日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>
メルセデス・ランキング120位でシード落ちを喫した新垣比菜が、ファイナルQTで奮闘している。ボギーフリーの「69」で回り、3アンダー・13位タイ発進。来季の前半戦出場が見込めるボーダーライン(35位付近)圏内の滑り出しに、まずは安どの表情を浮かべた。
“試合”に出場するのは1カ月ぶり。11月初旬「樋口久子 三菱電機レディス」を予選落ちで終えると、それがシーズン最後のツアー出場となった。その理由は腰痛。「ヘルニアでした。これまでは腰が張ったり痛くなったりしても、治療したら数日で痛みはなくなった。でも今回は、全然痛みが取れませんでした」と、治療に専念していた。
シーズン中には左手首痛で試合を欠場することも。そして次第に、「寝ているときも痛かった」というほどの腰痛に悩まされていった。
幸い、重度のヘルニアではなく『安静にしていたら1カ月くらいで治る』との診断を受けた。休んだ最初の1週間はまったく動かないようにして、痛みが引いたらアプローチから練習を開始。ただ、1~2日ほどでまた痛みが出てきた。休んで練習して…の繰り返し。「“これヤバいかも、QTも出られないかも”と思って怖かったけれど、なんとか出られて良かったです」。満身創痍ながらも、来季の出場権をかけた戦いに出場している。
開幕前日の練習ラウンドは見送った。この日はパターに助けられ、7月「大東建託・いい部屋ネットレディス」第1ラウンド以来となる今季2度目の60台をマーク。「全然(スコアが)出ると思わなかった。80くらい叩いちゃうかなと先月は考えていたので、きょうアンダーで回れたのは驚きです。ふふふ」。控えめながらもうれしそうな笑顔をのぞかせる。
ラウンド後はコース近くで探した治療院でのケアが欠かせない。「今もちょっと痛いけれど、治療しながら、きょうはなんとか大丈夫でした。(今年は)ゴルフがヤバくて、シードとかのレベルじゃなかった。来年は少しでも試合に出られたらなと思うので、頑張ります」。まずは4日間を完走したい。(文・笠井あかり)
