<Hitachi 3Tours Championship 最終日(一日競技)◇14日◇平川カントリークラブ(千葉県)>
2005年から続く、JLPGA(国内女子)、JGTO(国内男子)、PGA(国内シニア)によるツアー対抗戦。悪天候の影響で1stステージは中止となり、午後の2ndステージのみで争われた結果、JLPGAが3連覇を達成した。PGAは2018年以来の4勝目を狙ったが、3位に終わった。
各ツアー団体からは、そのシーズンに活躍した選手が代表として出場する。そんな舞台に、2014年大会(当時はJGTOとして出場)以来となる11年ぶりの出場を果たしたのが、PGAチームの宮本勝昌だ。2022年から国内シニアツアーを主戦場とし、翌23年からは3季連続で賞金王に輝くなど、圧倒的な存在感を放っている。
これまではPGAチャンピオンズ(米シニア)ツアーQT(予選会)が大会開催時期と重なっていたため、シニア入り後の出場はかなわなかった。しかし、今年9月にQTの廃止が決定。今年はPGAチームの代表として、この舞台に立つことができた。
「楽しいですよ。お祭りじゃないですけど、こういったことが好きですし。もちろんシニアに入ってからもずっと出たいと思っていましたけど、たまたま(QTと)重なってしまって出られなかったので、すごく楽しみにやってきました。もちろん、来年もまた出たいという気持ちはあります」
そんな宮本の相棒は、同じチーム芹沢の先輩であり、戦友でもある藤田寛之。今季は米シニアツアーを主戦場に戦った。今大会への推薦を受けた当初は、「ずっと日本にいなかったし、怪我もしていたから。そういうのもあって、(出場して)本当にいいのか」と悩んでいたという。
その背中を押したのが宮本だった。「3回ぐらい電話してくれました。色々思いがある中で、背中を押してくれた。すごく光栄なことですし、宮本と一緒にやれるチャンスはそんなにない」。こうして出場を決意し、コンビ結成に至った。
長年、同じ舞台で戦ってきた二人は、プライベートでも親交が深い。藤田が海外遠征中でも電話で連絡を取り合い、互いにモチベーションを高め合う関係だ。「付き合いが長いから、何も言わなくてもわかる。あうんの呼吸です」と、特別な作戦は立てない。それぞれが自身のプレーに集中しながら、自然と助け合う姿が印象的だった。
JGTO、JLPGAの「息子、娘」のような若手選手たちのプレーからは、大きな刺激も受けた。雨で気温が下がり、体が思うように動かない難コンディションでも「あんなに速く振れるのか」と驚きを隠さない。「今の選手が300ヤード飛ぶというのがすごくわかる。この状況の中でも、290ヤードぐらいはキャリーしていると思う。シニアは雨が降って寒いと、大体2割、飛距離が落ちますから」(宮本)と若手のパフォーマンスを称えた。
藤田はPGAとして4回目の出場。「ここ4年ぐらい連続で出ていますけど、やっぱり女子のレベルの高さ。(悪コンディションの中でも)バーディをしっかり取ってくるので、そういうところがすごいなっていつも思います」と感嘆する。今回同組で回ったメルセデス・ランキング2位の神谷そら、同3位の河本結の実力にも、強い印象を受けていた。
50歳を迎えても挑戦を止めない二人にとって、この一日は確かな刺激となったに違いない。(文・高木彩音)
