今週行われている日本開催の米ツアーに出場しているアダム・スコット(オーストラリア)が、その開幕前に日本ゴルフ界の底上げに尽力する姿を見ることができた。
それは4日(日)のこと。毎年、国内女子メジャーの「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」が行われている茨城県の茨城ゴルフ倶楽部(西コース)で、ジュニアイベントの「フューチャー ゴルファーズ セミナー 2026 with アダム・スコット」に参加した。
これはイベントを主催するユニクロと2013年からグローバルブランドアンバサダーを務める縁で、15年から参加する恒例行事。今年が9度目の開催で、子どもたちは関東ゴルフ連盟選出の中学生から高校生の男女ジュニアゴルファー26人だ。13年「マスターズ」制覇など米ツアー通算14勝を誇る男の言葉に、真剣に耳を傾けた。そして、その真っすぐな視線を受けたアダムも、“熱血指導”で応える。
■米通算14勝を誇る男のウォーミングアップ方法を伝授
イベントが始まり、子どもたちの拍手で迎えられたアダムがまず最初に伝えたのがウォーミングアップ時の心がけだった。打撃練習場では短い番手からボールを打ち始めたが、ここで何度も言葉にしたのが「これは練習ではない」ということ。
「きょうの体の状態を感じることが大事。どういう球が出るのか、それを見ること」
「“何ヤード飛ばそう”と考える必要はない。自分の体と対話して欲しい」
「体を温めながらウェッジから様子を見る。どこかのクラブがよくなくても、それを練習することはしない。僕は調子がいい時はドローもフェードもいい球が出るけど、例えばドローだけがいいという時は試合もドローを中心に考える。修正はラウンド後の練習でやればいい」
など、どれも実際にアダムが試合前に考え、実践していることだ。来日直後のアダムは、この日「体がまだ硬い」という自分の状態を感じ取ったという。そのため、もしこの後は試合だとしたら、「意識的に腰を切る」意識を自分に植え込むのだという。ウォーミングアップはあくまでもウォーミングアップ。その考えが伝授された。
■褒めて伸ばす“アダム流レッスン”
その後は子どもたちを4グループに分け、各組15分ほどのレッスンを開始。何人かずつが、質問をした後に実際に球を打つ姿をアダムに見てもらう。ここも“金言”の宝庫だった。
『絶対にバーディが欲しいホールでは何を考えてますか?』と聞かれると、「ターゲットをなるべく小さくして、一点に集中する」と答える。『アプローチで緊張することが多い』という悩みを聞けば、「腕の高さで距離を作るから、そのことだけを考える。そして最後はどれだけ練習してきたかと経験が大事になる」と伝えた。
『スイングでゆるんでしまう』という課題の時には、その選手の動きを細かく確認。そして「バックスイングを抑え目にして、インパクトからフォローの動きを速くするイメージで振ってみて欲しい。気持ち悪さがあっても、それで打ってみて」と教え、その後のナイスショットに拍手を送った。
ここで印象的だったのが、「ナイススイング」、「とても上手だ」、「君と同じ年齢だった頃の僕よりもうまいよ」など、しっかりと褒めることを忘れなかったこと。その意図については「まずはみんなに自信を持ってもらいたい。その自信はゴルフだけでなく人生にも生きてくる。そういうメッセージを強く打ち出したいんだ」と明かす。
