<JLPGAファイナルQT 最終日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>
今季シード喪失者の明暗が分かれた。来季の前半戦出場権をかけたQTで、前半戦フル出場が見込めるボーダーライン(35位付近)に入って4日間を終えたのは、11人中3人だった。
岡山県作陽高3年時に受験した2021年のプロテストで一発&トップ合格し、同年以来のQT出場となった尾関彩美悠はQT29位で終えた。最終日はあがり3ホール連続でバーディチャンスを逃すなど、トータル4アンダーで目標にしていた『69』のスコアにあと1打及ばず。「(来季前半戦に)フル出場できたら、この4日間は100点で終われるんですけど…。あとはもう祈るだけです。お願いっ!」と不安を覗かせていたが、第1回リランキングまでの出場権をしっかりと手にした。
ルーキーイヤーから保持してきたシード権を、プロ4年目で喪失した。オフに試したクラブ変更がハマらずに「歯車が狂った印象」。春先から予選落ちの文字が目立ち、メルセデス・ランキング83位に低迷した試行錯誤のシーズンになったが、来季もまた、レギュラーツアーで開幕戦を迎えることができる。
来季のスケジュールは未発表だが、例年通りであれば、3月「ダイキンオーキッドレディス」が初戦になる。「今年は全部悪かったけれど、たくさんトレーニングして、全部修正して、ダイキンから飛ばせるように頑張りたい」。緊張をほぐしてホッと一息つきながら、来年に向けて始動する。
QT突破者は川岸史果(6位)、川崎春花(15位)、尾関彩美悠(29位)。ほぼ全試合出場が可能なのは新垣比菜(39位)、出場が限定的になるのは小林夢果(51位)と森田遥(55位)、下部ステップ・アップ・ツアーが主戦場になる可能性が高いのは野澤真央(68位)、吉本ひかる(84位)、臼井麗香(86位)、山内日菜子(101位)、リ・ハナ(103位)となった。
主なシード喪失選手のコメント
■川崎春花:QT15位(-7)
保有する複数年シードを行使せずに、自力での出場権を獲得
「(シード行使は)考えていなかったです。ここに来る時は『頑張るぞ』って思っていたけれど、いざ来るとめっちゃ不安でした。試合で考えないようなことばかりを考えてしまった。やっぱり独特な雰囲気だなと。初日から考えると満足です。すごく疲れました…。来年につなげられるようにしっかり練習したいです。このオフが勝負だと思います」
■森田遥:QT55位(E)
10月に父が亡くなっていたことを明かした
「気持ちがいろいろと追いついていないまま、ここまで来ちゃった感じです。まだ四十九日も経っていない。それを言い訳にはできないですけど。ツアーも待ってはくれないので。今年はずっと芯がない状態でゴルフをしていた感じでした。“ここ一番”っていうときに、エネルギーとか集中力があまりなかったです。自分のためというよりは、お父さんのためにゴルフをやっていたようなところもありました。自分を見つめ直す時間がほしいかな。人生も考えながら、ですね」
■臼井麗香:QT86位(+5)
「なんて言っていいか分からないけれど、この結果がすべて、という感じです。最善を尽くしてこれだったのでしょうがない」
■山内日菜子:QT101位(+10)
「きつかったですね。うまくいかなかった。意地を見せたかったです。今週はとにかく完走しようと思って回っていました。特につかむものはなかったですけど、とにかく一打一打頑張って終わろうと。(オフにやりたいことは)まだ考えられないです。終わったなという気持ちでいっぱいです。来年また“下克上”を見せられるように頑張ります」
