<JLPGA最終プロテスト 2日目◇4日◇静ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇6462ヤード・パー72>
プロテストは7度目、最終プロテストは5度目となる和久井麻由が、トータル5アンダーの4位タイという好位置で折り返した。ドライバーのイップスやパニック障害、家出など「大抵のことは一通りやってきました(笑)」。残り2日、長く苦しんできたプロテストの壁を今回こそ越えてみせる。
2019年の「日本女子アマ」では、同じく高校生だった西郷真央と優勝を争い、2位に入った。和久井はジュニア時代から注目を集める存在だった。それでも、ツアープロへの道は遠かった。初受験だった同年の最終プロテストで敗退すると、翌2020年はゴルフをする精神状態ではなく、受験すらしなかった。
転機は2022年。家族に「もうゴルフを辞めたい」と打ち明けると、「お金を稼げたら楽しいんじゃない?」とプロ宣言を勧められた。そして、マイナビネクストヒロインツアーに出場すると、デビュー戦から2連勝。「いきなり100万円(2試合の優勝賞金)がボーンと入ってきて、稼ぐ喜びを知りました(笑)」。それまでゴルフをやる意味を見失っていたが、賞金というモチベーションを見つけたことで、ゴルフが楽しくなった。
それでも、プロテストが高い壁であることは変わらなかった。「ネクヒロでは結構いいショットが打てるんですけど、プロテストでは自分のゴルフができなくなって、ゴルフが難しくなるんです。それが分かっているから、今年はアプローチ、パットを徹底的に練習して、マネジメントも勉強してきました」。初日も2日目も、スタートホールでは頭が真っ白になり、残り距離の計算をするにも苦労した。
「70」で回った初日に比べ、ショットは乱調だったが、スコアは「69」と1打縮めた。「前半、ショットが当たらなくて、やべーなと思っていたんですけど、これでいいんだと自分に言い聞かせてなんとかしのいでいたら、8番(パー3)でご褒美みたいなバーディが来ました」。安全にグリーンセンターを狙ったつもりが、4メートルのチャンス。これを生かすと、続く9番パー5でもバーディを奪った。アプローチ、パット、マネジメントでスコアを作り、ボギーフリーのラウンドとなった。
この日は、高校3年生で今年のプロテストの注目選手の一人、後藤あいと同組だった。「ゴルフが全然違って、私も昔はあんな感じだったなと思ったんですけど、自分は25歳なんで落ち着いたゴルフをしようと思いました」。さまざまな経験を重ねた大人のゴルフで、現役のナショナルチームメンバーに対抗。
ネクヒロには年齢制限があるため、今年がラストイヤー。「やばいですね。来年からどうしようって思ってます(笑)」。もちろん、これは冗談。来年はレギュラーツアーというさらに大きな舞台で、稼ぐ喜びとゴルフの楽しさを思う存分味わっているはずだ。(文・田中宏治)
