日本一が決まった瞬間、山崎泰宏は天を仰ぐ【動画】
山崎は昨年の4月24日、山口県のドラコン大会会場で心筋梗塞を発症。手術の末に奇跡的に一命をとりとめたが、山口県宇部市の宇部興産中央病院での入院生活は48日間にも及んだ。過酷なリハビリを乗り越え、退院からわずか1カ月後にドラコン競技に復帰を果たした。
昨年は獲れなかった日本タイトル。山崎は勝利が発表された瞬間、「天を仰いだというか空を見ちゃいましたね。『神様やったぞ』ではないんですけど」と話す。1年という短い期間ではあったが、ここまでの道は険しかった。心臓の動きは一時半分以下に落ち、現在も100%に戻ることはない。長年鍛錬を積んできた筋力も落ちてしまっていた。
「ドラコンに戻れるか戻れないかのところから、去年はそのフィールドに立てた。その喜びから1年が経って、まさかまた自分が日本チャンピオンになれるとは思っていなかった」。奇しくも8月6日は53回目の誕生日。その翌日に復活の日本一をつかみ、忘れられない日になった。
この日も「薬の副作用であんまり寝れていなくて」と調子は万全ではなかった。大会前日は11時30分頃にベッドに入ったが、1時38分に目覚めてしまい、寝られないまま朝まで過ごした。入院していた山口から地元の長野に戻った今も、定期的に心臓の検査を受けている。主治医からは睡眠薬を出すことも提案されたが、山崎はずっと飲んでいない。それでもベスト8のトーナメント方式から始まった大一番では、コンスタントに330ヤード台を揃えて3回勝ち、日本タイトルを奪還した。