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「目をつぶったらもう二度と開かないんじゃないか」 山崎泰宏が感じた“死の恐怖”【心筋梗塞からのフルスイング】

「目をつぶったらもう二度と開かないんじゃないか」 山崎泰宏が感じた“死の恐怖”【心筋梗塞からのフルスイング】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2022年4月5日 19時11分

手術により一命を取り留めた山崎は、死ななかったことで手術の翌日から『死の恐怖』と向き合うことになる。

「手術終わっても生きていたから、俺本当に死ぬのかな、医者も大袈裟に言って脅かしているんじゃないかって、ちょっと思いました。でも、医者は決して大袈裟に言うことはないし、事実しか言わないんですよね。楽観的なことも期待させるようなことも言わないです。手術が終わってICUに戻ったときに、先生から状態や検査の数値を聞いたので、それを全部自分の携帯に入れてベッドで寝ながら調べたんです。夜中も寝ないためにずっとiPhoneで心筋梗塞に関することを見ていました」

夜も寝ないでiPhoneで検索をし続けたのは自分の病状を調べる以外に、もう一つ理由があったのだという。

「手術終わってから数日間は寝るのが怖かったんです。死ぬかもしれないと言われていたから、目をつぶったらもう二度と目が開かないんじゃないかって、そんな恐怖心がありましたよね。それで寝ないようにiPhoneでずっと心筋梗塞に関することを見ていたんですが、それでも夜4時半くらいに『あ、寝ちゃった』って気づいて、ドキッとして起きるんです。そうすると点滴の機械の緑と赤のライトがチカチカ光っているのが目に入ってきて。その光を見た時に、『ああ、まだ生きていた』と実感するんですよ」

このiPhoneによる検索によって山崎は安心を得るどころか、自分が未だ確実に生き続けられるとは言えない状況にあることを思い知らさらされたのだ。

「今の世の中がすごいのは、ネットで調べると現実がわかってしまうんですよ。例えば、心筋梗塞は発症後20分から心臓の壊死が始まって、2時間以内に手術できれば後遺症はあまり残らないけど、それを越えると時間が経つほど助からない確率は高くなってくるんです。でも僕の場合、手術したときには発症後10時間以上経っていた。筋肉の細胞が壊れたことを表すCPK値というのがあって、これが高いと心臓の壊死が多いということなんです。正常値はだいたい40〜250と書かれているんですけど、僕が手術後に先生から聞いた数値は1万に近かった。検索して見れば見るほど条件が揃い過ぎているから、『ああ、やっぱり俺死ぬんだな』って思いました」

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