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「手術中に亡くなる可能性もある」と告げられたドラコンプロ山崎泰宏の『選択』【心筋梗塞からのフルスイング】

「手術中に亡くなる可能性もある」と告げられたドラコンプロ山崎泰宏の『選択』【心筋梗塞からのフルスイング】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2022年3月20日 18時00分

もちろん、手術をやらなければ『死ぬかも』と言われれば、誰もが手術をすることを『選択』するだろう。でもなぜ医師は、『死ぬかもしれない』などという人間が最も恐れるフレーズを、言葉は悪いが、目の前で死にかけている人間に無慈悲に投げ掛けるのか。そこには『選択』が深くかかわっているという。

「心筋梗塞の場合、一刻も早く治療を行うことが生死や予後の状態に大きな影響を及ぼします。そこで一刻も早くご本人の承諾を取り付けないといけないのですが、いきなり『これからカテーテルの手術をしますが、手術を望みますか』と言ってもにわかに理解ができないので本人の同意を取ることが遅くなってしまいます。しかし、『このまま放っておくと死ぬかもしれないのですが、手術を望みますか』という事実を提示すると判断を早くしてくれますし、手術を望まないという人はまずいないです」

つまり、『このままでは死ぬかもしれない』という医師の言葉は、判断を逡巡することで命を縮めかねない人に対する“善意の後押し”になっているのである。

『言う』、『言わない』は別として、では、実際に手術をする前の山崎の症状を濱田医師はどう判断をしていたのだろう。

「山崎さんの心筋梗塞はかなりの重症だったと思います、正直言って人によっては助かっていないです。心臓の冠動脈は『右冠動脈』、『左冠動脈・前下行枝』、『左冠動脈・回旋枝』の3本があります。そのうちの1本が詰まっただけでも人が死ぬ可能性があるのですが、そのうちの一番死ぬ確率が高いと言われているのが、『前下行枝』なんです。山崎さんの血栓はその部分で、しかも動脈の起始部にありました。

血栓がこの箇所であったことと、発症後の時間(10時間以上)ということを考えれば、病院に辿り着けただけでも幸運で、到着以前に亡くなっていてもおかしくないケースでした。それで、治療自体は上手くいったんですけど、その後に心臓が立ち上がるかどうかは、予断を許さないところはありました。CPKの数値が1万近く上がるというのは、心臓にかなり広範囲のダメージが出ているということですから」

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