<JLPGAファイナルQT 最終日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>
ファイナルQTを9位で突破し、六車日那乃が来年の前半戦フル出場権を獲得した。「ホッとしました。気持ちがジェットコースターのようにアップダウンしていたけれど、本当に良かったです」と表情を緩ませた。
5度目の挑戦だった昨年のプロテストで涙の合格。ただ、同年のQTは66位。注目を集めながら迎えたルーキーイヤーは、推薦などでレギュラー11試合に出場したが、下部ステップ・アップ・ツアーが主戦場だった。
ステップでは2度の2位など上位に度々顔を出し、トップ10入り7回。明治安田ステップ・ランキング(賞金ランク)は3位だった。来季前半戦フル出場権が与えられるランキング上位2人には入れなかったが、「3位になれるとも思っていなかったので、そんなに落ち込むとか、“QTか…”とは思いませんでした」。そして自ら切符をつかんだ。
初日「75」で93位と出遅れたが、そこから盛り返し、トータル9アンダーまで伸ばした。「考えれば考えるほどネガティブになっていたけれど、キャディさんと話をして、うまく整理ができたと思う」。今年5月からはコーチへの連絡を控え、自立することを大事にしてきた。このファイナルQTでも自ら考え、自ら判断し、力強くクラブを振り続けて結果につなげた。
「今年は、後半は毎週のように試合があって、たくさんの経験ができました。プロになっての意識が変わりました。毎週試合があったので、改善と学びの繰り返しで、本当に充実した、人生で一番濃い一年だったと思います」
プロ2年目の来季、開幕戦に立つことができる。『オフにどんな準備をして臨みたいか?』と聞かれると、開口一番「たくさん遊んで…」と答えた。母と姉の影響を受け、宝塚観劇が23歳の趣味になった。
9月「ソニー 日本女子プロ選手権」で予選落ちを喫した翌日、姉がリセールを通じて観劇チケットを購入してくれた。そこで初めて見に行ったところ、「ハマりました」。推しは花組。このオフには東京、宝塚での観劇を何度か予定しているという。
「たくさん遊んで、たくさん練習して。自分の穴を埋めていくような充実した日々を送りたいです」。自己評価「60点」だったルーキーイヤーからさらなる飛躍を誓い、まずは心身ともにリフレッシュする。(文・笠井あかり)
