先に米国へ渡ったのは、ジョニーだった。1997年、フィラデルフィアのサマーキャンプで子どもたちにゴルフを教える機会があった。たまたま、その隣で実施されていたキャディプログラムで学び、アマチュアのバッグを担ぐようになった。
その後、友人と車で米国大陸を横断してカリフォルニアへ。名門ペブルビーチで2年間キャディを務めた。その頃に、同郷の女子プロゴルファー、ジャニス・ムーディと知り合い、2000年「ベッツィー・キング・クラシック」から、5年間タッグを組んだ。
欧州男子ツアーでキャディをしていたマイクに、「一緒にツアーを回らない?」と声をかけたのもその頃だ。弟の誘いをきっかけに、マイクも米国へ。こうして、兄弟で同じ職場で働くようになった。
米女子ツアーは、1月のフロリダでの大会を皮切りに、世界をまたにかけて転戦する。転戦生活で、スコット兄弟は、山下美夢有のキャディ、ジョン・ベネット氏や、チャーリー・ハル(イングランド)のキャディ、アダム・ウッドワード氏ら4~6人で、一緒に家を借りることが多い。「25年くらい一緒にいるから、単なるキャディ仲間ではなく、親友みたいな存在なんだ」とジョニーは言う。
そんな共同生活の料理担当はジョニーだ。「バーベキューでもラザニアでも、弟はなんでもうまく作るよ」。そう話すマイクのほほが緩む。
ジョニーはYouTubeを見て料理を覚えた。好むのはじっくり時間をかけて作るメニュー。調理中にビールやワインを片手に楽しめるからだ。しかし、ある出来事がきっかけで献立は変化した。というより、変えざるをえなかった。
