<CMEグループ・ツアー選手権 2日目◇21日◇ティブロンGC(フロリダ州)◇6734ヤード・パー72>
プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(最優秀選手賞)戴冠には優勝が条件の山下美夢有は、伸ばし合いのリーダーボードを駆け上がることはできなかった。
5バーディ・2ボギーの「69」でトータル5アンダー・21位タイに浮上するも、首位との差は6打から9打に広がった。さらに、首位は最優秀選手賞でトップを走るジーノ・ティティクル(タイ)。打数もさることながら、賞レースの差も広がりつつある。
1番のドライバーショットで、大きく左に曲がった。パーで切り抜けたものの、そこから調子が上がり切らなかった。4つあるパー3ですべてバーディを奪ったが、「寄ってはいないです」。8番は花道からウェッジでチップインしたものだった。
ショットの感触は「70」で回った初日と「あまり変わらなかった」。長いクラブで持ち味のドローがきつくなったり、右へのミスもあった。最終18番ではティショットが狙いよりも左に行き、2打目が右ピンに対して狙いよりも右へ。「あそこは右に逃げすぎた。(球が)つかまったりつかまらなかったり。それでタテ距離(が合わない)や絡むショットが打てていない」と切り捨てる。
最終組でプレーした初日終了後も特打に向かった。「(修正が)うまくいっていない。修正ポイントはいっぱいありすぎる。スイングの軌道やリズムのすべてがダメ、あかん」。マネジメントは組み立てられているからこそ、そこに打つショットの精度を取り戻したい。
「AIG女子オープン」(全英)のメジャー優勝を含む今季2勝などの活躍でルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)を戴冠。平均ストローク『69.80』で4位につけていることからも、ルーキーイヤーの充実度が見て取れる。ただ、先週は最終日にパー4で『9』を喫するなど68位で終え、このシーズン最終戦ももどかしい時間が続いている。
「いい感触でシーズンを終えたいし、最後なので結果も上位で終わりたい。1年間を通して安定したスイングをして、自分のクセを分かりたい」。求めるのは“シンプル・イズ・ベスト”なスイング。持ち味を回復させ、米1年目のラストマッチでしっかり存在感を発揮したい。(文・笠井あかり)

