米国女子ツアーには現在、日本勢13人がツアーメンバーとして参戦中。なかでもルーキーの活躍が目立っている。シーズンも終盤に差し掛かる今、新人王争いの行方を改めて整理してみよう。
新人賞(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)は、年間のポイント(pt)数によって争われる。これは年間女王を決める「CMEグローブポイント」とは別に付与され、新人選手のみを対象としたポイントレースだ。
通常のトーナメントでは優勝が150pt、2位が80pt、3位が75pt…と順位ごとに配分される。41位以下は一律5pt、予選落ちは0ptとなる。なお、メジャー大会ではこのポイントが倍となった。
昨年は西郷真央が新人賞を獲得。これは1990年に小林浩美が受賞して以来、日本勢として2人目の快挙で、大きな話題となった。当時、西郷は優勝こそなかったものの、29試合中トップ10入り7回、2位2回と安定した成績を残した。その後、今季はメジャーで念願の初優勝を果たし、さらに存在感を示している。
今季は竹田麗央が3月の「ブルーベイLPGA」で米ツアーメンバーとして初優勝を飾り、5月には岩井千怜が「リビエラマヤオープン」で米初優勝。さらに7月のメジャー最終戦「AIG女子オープン」(全英)では山下美夢有、8月の「スタンダード・ポートランドクラシック」では岩井明愛がそれぞれ初優勝を遂げ、ルーキーたちが早くも結果を残している。
では、その新人賞ポイントレースの現状はどうなっているのか。現在の首位は竹田、2位に山下、3位に千怜、4位に明愛と、日本勢がトップ4を独占している。さらに馬場咲希も11位につけており、日本勢の活躍ぶりが際立っている。
現在ポイント数では、竹田が1041ptで首位で、山下が1015ptとその差はわずか。3位以下は差が開き、千怜が725pt、明愛が668ptとなっている。
5位につける中国のミランダ・ワンは先週初優勝を挙げ、今季7人目のルーキーVを達成。150ptを加算し420ptとした。それでも、4位の明愛とは200pt以上、首位の竹田とは621ptの差がある。この数字を見れば、現時点で日本勢がいかに有利な状況にあるかがわかる。
今季は21人がこのレースに参加しているが、日本勢以外で勝利を挙げたのはミランダ、イングリッド・リンドブラト(スウェーデン)、そしてプロデビュー戦でいきなり初優勝を遂げたロティ・ウォード(イングランド)の3人だけ。国別で複数勝利を挙げているのは日本勢のみで、圧倒的な強さを示している。
日本人ルーキーによる熱い新人王争い。西郷に続く栄冠を手にするのは誰か? 最後まで目が離せない。
