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「ゴルフ人生で今年が一番楽しい」 53歳、伊澤利光の笑顔が止まらない理由【国内シニア】

「ゴルフ人生で今年が一番楽しい」 53歳、伊澤利光の笑顔が止まらない理由【国内シニア】

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2021年8月21日 19時45分

2001、03年とレギュラーツアーで賞金王を2回獲得し、01年にはマスターズで4位に入っている伊澤が、貪欲に17歳下の後輩の技を盗んで取り入れたのだ。その後、北村とプライベートでラウンドしたときには、「僕のパッティングのどこを取り入れたか教えてください」と聞かれ、「リズム感を真似しているだけだよ」と打ち明けた。実際、北村はパットの練習でメトロノームを置いて、リズム感が一定になるように気を付けていたという。それを後で知るあたりが伊澤らしい。

2メートルでも10メートルでもリズムを一定にすることで、「距離感が良いから、外れても次のホールでラインが取りやすくなる。これがショートしたり、1メートル半くらいオーバーしたりすると、次に打つときに、ラインを(ふくらませて)厚く読んだ方がいいのか、(直線的に)薄く読んでいいのかわからなくなる。いまはそれがすごく減って、パッティングのラインが読みやすくなってきた」と伊澤は話す。それが今年出場したシニアツアー4試合で、5位、2位、7位、4位という好成績の要因の1つとなっている。

伊澤が手応えを感じているのはパッティングだけではない。ドライバーの飛距離も出ている。「数字的にはわからないけど、だいたい(小田)孔明と同じくらい(笑)。それまで孔明には10ヤードくらいやられていたけど、最近は良い勝負をしている」と伊澤はニコニコと話す。小田もまた同じ『JOYX』の後輩で普段から交流がある。14年にはレギュラーツアー賞金王にも輝いた実力者で、飛ばし屋として知られている。

ボギー直後にも関わらず、伊澤がずっと満面の笑みで話すので、今はゴルフが楽しい状態ですか?と聞いてみた。すると伊澤は「見える?」と逆質問した少し後に「楽しい」とさらに顔を崩す。「いままでのゴルフ人生で今年が一番楽しい。(キャリア最高の成績を収めた)2001年より楽しいかもしれない」と言い切る。

この『ゴルフの楽しさ』が精神的な余裕にもつながっている。「パープレーとか1オーバーの日もあるけど、こういう日もあるなと受け入れられるようになって焦らなくなった。例えば前半9ホールがずっとパーで、10番でボギー打っちゃって、『アーまずい』みたいなのがない。残りホールで3つ獲って、2アンダーで回れれば良いかなみたいな。ガツガツとピンを狙っていくと、またボギーとか悪い循環になったりする。プレースタイルが良くなったのかな」と自己分析する。

首位タイで迎えるあすの最終日について聞かれると、「技術面もそうだし、精神面もそうだし、自分のなかですごく充実しているので、勝てるように頑張りたいです」と答えた伊澤。最後に再び「ゴルフ楽しいです」と屈託のない笑顔を残して去っていった。

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