「プロになるため、何をしなければいけないか…を学びましたし、メリハリをつけて練習に取り組むことができました」と、高校3年時には『東北女子アマ』『東北ジュニア』を制した田村。高校卒業後も拠点は仙台に置いている。
東北高校は、宮里藍を筆頭に、有村智恵、原江里菜、菊地絵理香、木戸愛、大江香織らレギュラーツアー優勝経験者が多い"一大勢力"。それだけに「胸を張って先輩方に"東北高校を卒業してプロになりました"と挨拶させてもらうと、"よろしくね"と反応して頂けるので、それだけでも違う。出身校のつながりは心強いです」。
目指すプレーヤーは、先輩らと同じ"強いプロ=勝てるプロ"だ。
「どれだけ注目されても、勝たないと実績は上がっていかない。いまはまだまだ難しいですが、2日目、3日目と徐々にスコアを伸ばせる選手に…つねに上位で優勝争いできるプロになりたい。そのために、ショットの精度も、メンタル面も鍛えなければいけないと思っています。理想は立ち姿から"あの人は強いな"と思われること。オーラがあるプロは見ているだけはわかる。雰囲気、身体の質、人柄…ひとりの社会人として大きくなりたい」
理想を体現するプロとして、憧れの宮里藍の名を上げたが、もう一人、"素敵な選手"と感じる先輩は木戸愛。
「後輩に対しても、誰に対しても"お疲れ様"と丁寧に振る舞い、先輩方にも好かれている。立ち姿も綺麗ですし、自然体で構えているところが、純粋にカッコいい。すばらしい先輩だと思います」
素敵な女性でありつつ、立ち振る舞いも認められた"強いプロ"を意識するのは、いままで周囲から"大人っぽく"頼りがいがあるように見られていたからかも知れない。なぜなら彼女の高校時代のあだ名は"ママ"。
「発言がお母さんみたいだから…という理由で"ママ"や"お母さん"と呼ばれていました。ゴルフ部の部長さんにも。いまも試合のときにメールをくれますが、『頑張って、かあちゃん』って。部活のなかだけでなく、外でも年上に見られるんです。友達の行きつけのお店に一緒にいったときに、初めてお会いする店員の方に挨拶をすると、『先輩ですよね?23歳くらいですか?』って。…いや、20歳なんですけどね(苦笑)」
グループで食事に行く際も、自然と田村がお店を予約する流れになるが、「自分のなかではそういうのも好きなので」と頼りにされることはまったく嫌ではない。だが5人姉弟の4番目となる家族のなかでは、おっちょこちょいな妹。「姉二人に、兄と弟。姉がしっかりしているので、学校で私が"大人っぽい"と言われるのが不思議みたい。でも家族からは『冷めているよね』とは言われます。近い関係であればあるほど素っ気なくなるみたいですから(笑)」。
試合中はクールな表情を貫き、ミスで感情が動かないようにしているが、「たまに"顔に出ていたよ"と友人に言われる」と小さい頃から負けず嫌い。『プロテスト2次予選』の最初の3Rでも、自身のその気質が見えたとか。「2日目連続60台でトップタイになったのに、3日目で"76"を叩いて…父は『納得できなければ帰ってから練習すればいい』と言ってくれましたが、そのスコアに腹が立ち、すごく悔しくてそのまま会場で練習。宮城に帰ったのは0時でした。身体は疲れていましたが、ここでやらないと変わらないと思ったんです」。
人生の目標を聞くと…「やるべきことの積み重ねが、先の目標につながっていく。(だから)考えたこともないですね(笑)」。だが、プロになってまず叶えたいことがひとつある。
「家族を旅行に連れていくだけの賞金を稼ぐこと。母は子供を5人も育てて、自分のやりたいことを抑えて、いまも仕事を頑張っている。私の姉二人、そして母を連れて旅行にいきたいですね」
田村亜矢 プロフィール
●所属/フリー
●出身地/北海道
●出身校/東北高等学校(宮城県)
●生年月日/1997年4月15日
●身長/163cm
●体重/58kg
●血液型/O型
●ゴルフ歴/7歳〜
●得意クラブ/ドライバー
●1W平均飛距離/240ヤード
●プロテスト受験回数/2回目
●趣味/音楽鑑賞
●好きな色/赤、紺、白い
●目標とするプロゴルファー/宮里藍
●ファンへのメッセージ/
プレーの売りはドライバーが曲がらないこと。あと、つねに前向きにプレーすることですね。失敗しても、次にバーディを獲ればいい。つねに前向きな姿勢は忘れないようにしています。つねに毎週優勝争いをできるような選手に成長したい。『田村選手は見ていて気持ちいいな』と思ってもらえるように、もっともっと強くなっていきたいので、応援よろしくお願いします。
●地元自慢してください!/
北海道は食べ物、水、空気がおいしい。地元は好きですね。5年間住んでいる仙台は、お世話になっている方も多い第2の故郷。仙台は空港からのアクセスがよく、関東まで2〜3時間でいけるのですごく便利だと思います