「これでやっと…“プロです”といったあとに“一年だけの”と言わなくてよくなりましたね」

と語り、最終プロテストファイナルラウンドのホールアウト後に嬉し涙を流した川崎志穂。今季はQTランク25位でレギュラーツアーに初のフル参戦。身長171センチでスラリとしたモデル体形で、一般誌のグラビアゴルフ特集のうちの一人に掲載されるなど、ゴルフファンのなかでは注目を浴びたが、試合ではなかなか結果が出せずに苦戦。

だが、プロテスト挑戦3回目で、レギュラーで戦っているという立場で迎えた今年は負けられない戦いだった。「QTの順位に関係なく、来年までにプロテスト合格できなかったら、ゴルフを辞めようと思っていました。今年は本当に通る気でいた。（単年登録ではなく）プロテスト合格の資格はそれだけ大きいですから」。

幼少期は共働きの両親のかわりに祖母と過ごす時間が長かったが、リビングに立てかけてあった父のパターで遊んでいるうちに「気がついたらゴルフを始めていました」。小学校時代から競技に出場していたものの、その当時熱心だったのはバスケットボール。「小さい頃はどちらかというと落ち着きがない子供でした」というだけに、ミスバスチームで汗を流すほうが楽しかった。中学では3年間ソフトテニス部で活動するなど、ここまでは一般的なスポーツ少女の人生を歩んでいる。

ゴルフを真剣に始めたのは、成田美寿々を輩出した拓殖大学紅陵高校入学後から。高校2年のときにプロを志す。高校卒業後に初めて受けたQTはファーストで脱落するが、挑戦2年目の2016年はファースト、セカンド、サードを突破し、ファイナルでも見事上位フィニッシュ。ジュニア時代に目立った実績はないが、経歴をたどればツアー初挑戦までの道のりは、順調といっていいだろう。

一番のセールスポイントは飛距離で、今季から計測が始まったドライビングディスタンスでは、トップ10以内に位置している（※10月23日時点で9位／248.37ヤード）。ショートゲームの面はまだまだ成長の余地があると本人も認めているが、「早くツアー現場に慣れることが今年の目標でした。いままでの生活スタイルと、ツアーの生活スタイルはまったく異なるので」と、2017年はコース内外の経験すべてが新鮮で勉強になっているという。

性格はつねにポジティブで「高校のときはいつも人生楽しそうだよね、といわれていました（笑）。悪口を言う、後ろ向きなことを言う…とか誰も得をしないことは言いたくない。自分の結果が悪くても、思ったとおりのスイングができなくても、マイナスの感情を相手に与えるようなことはしたくないんです」。楽しくコミュニケーションをして、さまざまなことを吸収したいと思っており、夢は世界一周旅行。「中国にいったときも、グアムにいったときも感じたのですが、日本にない生活環境で、人とコミュニケーションをとるのは本当に楽しいですよね」。

もうひとつの大きな夢は地元愛に溢れる。

「（千葉県）富津市に貢献したい。自然が豊かですし、人がやさしい。近所づきあいも多いので、おばあちゃんから私を応援して下さっている声を聞くことがあります。都会は嫌でも人が集まりますが、富津は…。だからもっともっと観光に来て欲しい。私が活躍して地元を活性化できたら嬉しいです！」

川崎志穂 プロフィール

●所属／姉ヶ崎CC
●出身地／千葉県
●出身校／拓殖大学紅陵高等学校（千葉県）
●生年月日／1996年5月9日
●身長／171cm
●体重／56kg
●血液型／O型
●ゴルフ歴／7歳〜
●得意クラブ／9番アイアン
●1W平均飛距離／275ヤード
●プロテスト受験回数／3回目
●趣味／音楽鑑賞
●特技／バスケ、テニス
●好きな色／ピンク、黄色、水色
●スポーツ歴／バスケットボール、テニス
●目標とするプロゴルファー／成田美寿々

●ファンへのメッセージ／

いつも応援してくださって本当にありがとうございます！名前を聞いたら、みんなが「知ってる！」というプロになりたいと思っていますので、よろしくお願いします。

●地元自慢してください！／

富津市は魅力的な場所はいろいろあるんです！金谷では浜焼きを楽しめますし、鋸山もおすすめの観光スポットです。

⇒★川崎志穂 連載【しいちゃんのKISS ON THE GREEN】★