大会期間だけでは終わらない“成長支援”
この大会の特色は、大会期間だけにジュニアたちへの支援が終わらないことだ。宮里の所属先であるサントリーが協力し、「宮里藍 サントリーレディスオープン」の出場を賭けて争う主催者選考会への出場権が大会上位5人の選手に与えられ、優勝者には宮里とのエキシビションラウンドの権利も付与された。そしてさらに、「宮里藍 サントリーレディスオープン」でローアマを獲得すれば、「AIG(全英)女子オープン」の本戦視察とコースラウンド権が与えられる。
また大会期間中に参加選手たちは、宮里が現役時代に学んだ『VISION54』のレッスンを宮里本人から受けた。
「実は引退をする前からジュニアの成長に関わりたかったのですが、具体化したのは引退してからでした。『VISION54』は米ツアーに行って2年目にドライバーイップスになって学び始めたメンタルメソッドです。私が米ツアーでやってこられたのも『VISION54』があったから。大会に参加した皆さんがそれを知って、それぞれが自分の才能を伸ばしてほしいと思っています」と、宮里。
ゴルフがメンタルスポーツと言われるが、そのメンタルを整える技術を学ぶ場はあまりにも少ない。フィジカルや技術を学ぶ場は充実しているのに、メンタル面はどうアプローチしていいのかすら分からない状況に日本はあるという。だからこそジュニアへの支援を考えたとき、自らが学び成長を確信した『VISION54』は宮里には欠かせないものだったのだ。
人としての成長も促す『VISION54』
この宮里の想いに所属先のサントリーが賛同した。「真に豊かな社会をつくる、生活する人が豊かになる、それがサントリーの大切にしていることです。ジュニアたちのゴルフにおいても、単に上手いというのではなく、ゴルフでの経験を通して魅力的な人に成長してほしい。それは豊かな社会の実現にもつながりますし、宮里さんの想いとも重なりました」と話すのは、この大会に携わり「宮里藍 サントリーレディスオープン」も担当をするサントリーコミュニケーションズ(株)・坂巻洋和さん。
宮里とサントリーの縁は2000年、宮里が15歳のときに遡る。当時はアマチュアがプロの試合に出るのはハードルが高かった。だが、「サントリーレディスオープンはアマチュアに門戸を開いていました。まだ中学3年生の私に出場のチャンスをくださり、がむしゃらにやっていたのを覚えています。あのときの予選通過は私にとってとても大きな出来事でした。今のジュニアたちはプロの試合に出るハードルが下がってきているとは思いますが、チャンスをつくってあげたいです」と、宮里はいう。多感な15歳だからこそ、後の人生に影響することは少なくない。それぞれが持っている可能性を広げてあげたいのだ、と話してくれた。
「宮里藍 サントリーレディスオープン」から夢は世界に広がる
だが宮里もサントリーも、この大会で始まる支援をジュニアたちに押しつけているのではない。「プロになって世界に出て行ってほしいけど、それは私の気持ち。それぞれが人として成長するのを応援したい。サントリーさんも、私が15歳で予選を通過したとき、世界一に私がなるなんて考えてもいなかったと思います」と、宮里。そして「私たちはきっかけをつくっているだけです。体験することで、それぞれが可能性を模索して、成長できる道づくりをしたいのです。本大会はまだ2回目。ぜひ続けていきたいし、続けることで何かが生まれると考えています」と、前出・坂巻さんもいう。
参加した選手は誰もが自分の成長を確信
将来、宮里藍を追い抜いて世界のオンリーワンになる選手が、この大会から出てくることを期待せずにはいられない。