女子でそこまでの光景は見られなかったが、それでも、今年の最年長エントリーは62歳のローラ・ボー(米国)。かつてのアイドルプレーヤーが、予選から挑んでいる。09年全英女子オープン優勝のカトリーナ・マシュー(スコットランド)の名もある。それほど、全米女子オープンに出場したい気持ちの強い選手は多い。
昨年の日本女子ツアー賞金ランクトップ5は本戦出場権を持っているため、予選に出る必要はない。だが、それ以外はみな、挑んでもいいくらいの試合、それが全米女子オープンなのではないだろうか。当然日本ツアーのトップクラスの選手も出場はしているが、寂しい限りだ。
ゴルフは基本的には個人競技。出場する試合も、試合に対する姿勢も、それぞれが自分で決めればいいものだ。日本女子ツアーはシーズン中ほとんど毎週、試合があり、今年からリランキング制度も始まっている。自分のホームツアーを大切にするのは悪いことではないが、だからといって、それを理由に、より厳しく大きな舞台への挑戦権すらつかもうとしないのは、アスリートとして自ら限界をつくり出しているようなものだ。
「世界基準」を高らかにうたい、それを目指している日本ツアーが、あまりに恵まれてしまったため、そこに安住する選手が増えてはいないだろうか。将来が心配になって来る。(文・小川淳子)