本大会は4ホールで距離を伸ばし、公認競技ではツアー史上最長距離のトーナメントとなった。決してロングヒッターとはいえない大出にとって、ある秘策が功を奏した。
「私はドライバーが飛ぶほうではないので、セカンドショットが170ヤードくらい残るホールが多いんです。170ヤードは5番アイアンの飛距離。5番アイアンに苦手意識があったので、思い切って5番だけレディスクラブを投入しました。ソールが広く、つっかかることなく、楽にボールを拾ってくれるんです」
投入したのはピン『G Le』の5番アイアン。シャフトはやわらかく飛距離が出るレディス仕様のものを使用した。
「5番アイアンを苦手としているアマチュアの方も少なくないと思いますが、難しいという気持ちがダメなんです。苦手意識が一番の大敵です。私みたいに、簡単なクラブを使ってみるのもいいと思いますよ」
19歳の快進撃は、おそらくこの日だけでは終わらない。ともすれば、3年前に初優勝を飾った前田陽子のように、シンデレラガールがこの地で再び誕生するかもしれない。ジュニアのころから自分は爆発型だという大出。今大会での躍動を期待しよう。