そして、藤崎の覚悟がもう1つの“縁”を引き寄せた。辻村コーチの愛弟子、上田との“縁”だ。上田のことは「小学生時代から憧れだった」というものの、これまでほとんど話したことがなかった藤崎。辻村コーチの引き合わせで妹弟子になったことを知った上田が、「センチュリー21レディス」の練習ラウンドに藤崎を誘うと、「人付き合いが苦手だった」という藤崎が、「大東建託・いい部屋ネットレディス」での練習ラウンドをお願いしに行くなど、藤崎にとってこれまでとは違う世界が開けてきた。
ラウンド中の上田からは、技術はもちろん、ゴルフに対する姿勢など多くのことを学んでいるという藤崎。この日も、プロ・アマ戦のインターバルの時間にフラッと現れた上田が、アドレス時の球の置き場所をアドバイスしたり、実際にバンカーショットの手本を見せるなど、契約を結んでからまだわずかな期間にも関わらず、関係は深いものに。
「サマンサタバサレディース」の時の“覚悟の電話”から変わり始めたゴルフ人生。「今回の試合は大事」という藤崎にとって、目先の目標は現在56位の賞金ランクを賞金シード圏内に上げること。そしてその先には、「常に上位で戦える選手になりたい」という大きな思いがある。
“変わった”のではなく“自分から変えた”藤崎が、「試合ではまだ一度も回ったことがないのでいつかは…」という姉弟子・上田との対決を制し、悲願の初優勝を果たす。そんな夢の実現も、意外と近いのかもしれない。