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キム・ヘリムの安定感を生み出す“グリップエンド”と“ヘソ”の距離【辻にぃ見聞】

キム・ヘリムの安定感を生み出す“グリップエンド”と“ヘソ”の距離【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2017年7月18日 07時42分

“グリップエンド”と“ヘソ”の距離が安定感を生み出す
“グリップエンド”と“ヘソ”の距離が安定感を生み出す (撮影:佐々木啓)
サマンサタバサレディース」でツアー初参戦、初優勝を成し遂げたキム・ヘリム(韓国)。韓国ツアーの賞金ランキング2位につける実力は本物で、最後の最後までスキを見せないゴルフで2位に4打差をつけて完勝した。そんなへリムの強さを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が語る。

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上田桃子吉田弓美子も調子は悪くなかった ただ、勝者が良すぎた
今季から距離が延長し、これまで行われた大会では「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」に次ぐ長さとなったコース、そして連日35度近い灼熱の中での戦い。例年のバーディ合戦が嘘のようにタフな中での戦いとなった今年のサマンサタバサレディース。そんな中、ヘリムは盤石のプレーでただ1人2桁アンダーを叩きだした。実際、同組で戦った上田も「自分から崩れる選手ではない。勝負にいかないと勝てない」とスタート前から感じていたという。

「ヘリムさんは寸分のスキが無かったですね。ショット、ショートゲームはもちろん、しっかり振っても崩れない体幹を含めたボディバランス、サンデーバックナインでギアを上げられる体力、一切狂わないルーティン。すべてにおいて完成度が高かった。同じく最終組で回った上田さん、吉田弓美子さんだって決して調子は悪くなかったと思います。10番を終えて2人は1打差まで詰め寄って並びかける雰囲気すらありましたから。普通なら2人が優勝争いしてもおかしくなかった。ただ、それ以上にヘリムさんが良すぎた。付け入るスキが無かったですね。ほぼノーミスですから」。そのミスの少なさの理由はスイングにあるという。

■“しっかりと返ってくる”ドローの秘密はグリップエンドとヘソの距離にあり!
ヘリムのスイングでまず辻村氏が褒めたのがアドレス。「立ち姿を見ただけで“綺麗なスイングをするんだろうな”という感じ。グリップ、アドレスの完成度が高い。スイングはお手本のようなインサイドイン。しっかりと内からボールを叩いて、綺麗なドローボールを打ちます」

そして安定感を生み出しているのが、グリップエンドとヘソの距離感だ。「アドレス時とショット時でこの距離感がほぼ変わらない。トップからアドレスした通りに戻ってきて、インパクトした後に体が回転。そこからようやく手元が伸びていく。しっかりヘッドが立って入ってくるし、ボディターンで打てている。だから“しっかりと返ってくる”ドローボールが打てるんです。ボールを捉える前により感覚が空けば、フェースが開いた状態でインパクトを迎えて右へ出た球が正確に戻ってきません。そして、その間隔を急に縮めようとしてこねるとチーピンになってしまいます。ドローを打つアマチュアのみなさんも参考にしてみてください」。加えて先述の通り、強く振りに行っても崩れない体の強さもあるから常に狙った通りのドローボールで攻められるのだ。

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