今季から米国に主戦場を移し、世界トップレベルの選手が集まるツアーでもまれている。その生活のなかで成長を感じる部分が、「上げるアプローチ」だと話す。前半の6番では、進化を見せつけた。グリーン左、残り12ヤードのショートサイドで、ライはつま先下がり左足下がりという状況から、フワリと上げるアプローチを1.5メートルに寄せパーをセーブ。「一番のキーになった。あそこでボギーを叩いてたらリズムも変わったと思うし、後続のプレーヤーもチャンスだと思ったはず」。ただの連覇ではない。成長した姿を見せたうえでの連覇だった。
「バーディを獲りたい」という気持ちを、「落ち着いて獲れる時を待とう」と抑え込みながらのプレーは最後まで続いた。このメンタルコントロールも、無我夢中のまま勝った3年前にはなかった部分だ。「自分にプレッシャーを与えながら」と、リーダーボードもしっかり確認しながらつかんだ勝利。強いメンタルも印象付けた。
所属先への最高の恩返しとなるホステス優勝を果たし、来週は地元・兵庫県で開催される「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」で2週続けてのディフェンディング大会に挑む。「地元でしっかり頑張りたい。自分のいいプレーが見せられるように」。今週3日間でフェアウェイキープ率は80%超え、パーオン率も79.6%を記録。相変わらず高水準をキープするショット力はもちろんのこと、米国で磨きをかけたアプローチと、たくましさを増した姿を、地元ギャラリーに見せることができそうだ。(文・間宮輝憲)
