全米女子アマという大会名から大きな試合であることはわかりますが、何しろ情報がないから実感があまりない、というのが正直なところでした。私がアマチュア時代、特に海外に対して興味がなかった、というのではなく、海外に出ていくという選択肢がない人のほうが一般的で、むしろ服部さんが特別だったのだと思います。
37年の歳月が流れ、日本の女子ゴルフの世界はすそ野が広がって層が厚くなり、レベルルもとても高くなりました。世界中の情報が集まるという環境の変化もあり、一部の人だけでなく、多くのトップアマチュアにとって様々な方法でゴルフができるようになりました。だからこそ、馬場さん以外にも3人の日本勢が全米女子アマに出場し、全員が予選を通過し64位以内に入ってマッチプレーに残ることができたのでしょう。
これは、選手として、裏方として、ゴルフに携わってきた私にとって本当にうれしいことです。女子ゴルフの世界の広がりを、多くの人から感じ取れたからです。
馬場さんのSNSも見させていただきました。そこに書かれていたのは大きな舞台でとてもいい経験をしているということが伝わってくる内容でした。
アマチュアの世界ででもトップを極めるのはとても難しいことです。みんなが「勝ちたい」と思っている中で、実際に優勝できるのはたった一人。米国の大学には、プロを目指すレベルのアマチュアが世界中からたくさん留学しています。それだけでなく、実力者が集まり、激突するのが全米女子アマ。その優勝者として、馬場さんは歴史に名を残しただけでなく、一気に引く手あまたになったはずです。