「16回パーオンしてバーディは2つでしたが、それ以外のバーディパットは入らずともカップをかすめてタップインパーというのがほとんどでした。このタップインというのがポイントで、ファーストパットの後にマークする回数が多かったり、組の最後にパッティングを打つ回数が多い人は流れを作りづらい。そうやってリズムを乱していくものですが、岩井さんはバーディを奪えずともグリーン上でリズムを作っていました。だから、我慢の展開でも崩れなかったのです」
バーディを量産できずとも、攻めながら守ることもできる。攻守にスキがない理由はグリーン上にある。
■勝負どころで決められる“直すところがない”パッティング
ファーストパットでバーディを奪えずとも、タップインで楽々パーを重ねる。当然、多くの選手が望むことだが、そう簡単にできるものではない。岩井ができるのは辻村氏が「シンプルで直すところがない」という技術の裏付けがあるからだ。
「最後の18番のウイニングパットまで芯でインパクトできていましたね。そして最後までリズムとタッチを一定させてた。だから、何よりもボールがフェースに当たる音がいい。なぜ、それができるかと言えばショットと同じくアドレスから打ち終わりまで体の芯が一切ブレないから。技術、体力があるということです。そしてルーティンから打つまでリズムが一切変わりません。だから、毎回同じパッティングができます」
