部門別データを見ると11年ぶりの優勝も、すぐそこにあるように感じる。ドライビングディスタンスは245.14ヤードで15位と、飛距離では若手にも引けを取らない。平均ストロークはキャリアハイとなる71.4713で18位。他の主要部門でも20位以内が多く、今季優勝者と大差はない。「勝てないことはないと思います。タイミングだったり、その週の調子、勢いもある」。ただ、課題がないわけではない。「若い子に比べると100ヤード以内の精度が低いと感じています。(賞金女王の稲見)萌寧ちゃんは、1ヤード曲がったら、『曲がり』っていうぐらいです。そもそもの精度の差があるから、そのあたりは強化したい。やることがいっぱいあります。伸びしろしかないと思ってやっています」と高いモチベーションを維持している。
40人しか出場できない最終戦は、藤田より年長者は16シーズン連続シードを保持する39歳の全美貞(韓国)しかいなかった。「ミジョン(美貞)さんに聞いたんです。『どうやったら長くできますか』って。そしたら『頑張り過ぎない』っていわれました。なんか深いですよね」。36歳にもなると、頑張りすぎると体がついてこない。練習時間も長時間ではなく短期集中。「ケアの時間は20代の頃の倍かかってます(笑)」と時間の使い方は大きく変わった。今オフは、新しい技術の新しい引き出しづくりに取り組む。新たな境地で復活を遂げた藤田は、新鮮な気持ちで6回目の優勝へまい進する。
